2018年(平成30年)10月8日 月曜日 徳洲新聞 NO.1154 一面
米科学誌が論文を高評価し
プレスリリース世界へ発信
大竹・湘南鎌倉総合病院副院長の研究
透析患者さんの重症下肢虚血に細胞移植
プレスリリースには論文を紹介する文章とともに、大竹副院長(左)と小林・院長代行の写真も掲載
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の大竹剛靖・副院長兼腎臓病総合医療センター腎免疫血管内科主任部長の論文が、投稿先の米科学誌『Stem Cells Translational Medicine』で高い評価を受けた。同誌は国際的に有名な再生医療関連の学術誌。
論文では、自院で取り組んだ臨床研究を紹介。2015年1月から16年2月までに登録した重症下肢虚血(CLI)の透析患者さん6人に、患者さん本人の血液から抽出したCD34陽性細胞(血管の内側を形成する細胞)を移植することで、血管再生治療を試みたところ、治療から1年後の追跡調査では下肢切断に至ったケースはゼロ。潰瘍は3カ月以内に60%が治癒し、重症から軽症への改善率は治療後1年で83%であったことから「今後も推進すべき」と結論づけている。
同誌は、この論文をfeatured article(特筆すべき功績)として掲載。さらに成果を含め論文の概要を紹介した文書を世界各国のメディアに発した。大竹副院長は「大変光栄なこと。正直、治療成果は予想以上」と驚きを示し、「より多数での検討や適用範囲の吟味などが必要ですが、有効性は期待できます」と笑顔。
研究をサポートした小林修三・院長代行も「現状、透析患者さんのCLIに有効な治療法がなく、効果は得られないと思っていた分野に挑んで成果を得られたことが高く評価されたのでしょう」と分析。「より長期にわたる大きな規模での臨床的評価が必要」と指摘したうえで、「今後は先進医療・治験の両面から展開する予定」と展望を明かした。大竹副院長も「困っている患者さんのために今後も努力します」と意欲的だ。