徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月8日 月曜日 徳洲新聞 NO.1154 四面

読み解く・読み得“紙上医療講演” ⑲
動脈硬化を予防しよう!

今回のテーマは「動脈硬化」。文字どおり血管の壁が硬くなる病気ですが、自覚症状がなく進行し、放置すると心筋梗塞や脳梗塞につながるため、日頃から注意が必要です。加齢による血管の老化が原因ですが、ほかに高血圧症、脂質異常症、喫煙、肥満、糖尿病などもリスク要因。今回は高血圧症と脂質異常症に注目し、大和徳洲会病院(神奈川県)の原田裕子・総合内科部長が解説します。

原田裕子・総合内科部長 大和徳洲会病院(神奈川県) 原田裕子・総合内科部長 大和徳洲会病院(神奈川県)

動脈硬化には大きく分けて2種類あります(図)。血管壁そのものが厚くなる「細動脈硬化」、壁の内側に汚れが付着し血管がもろくなる「アテローム硬化」で、前者は高血圧症、後者は脂質異常症(高脂血症)が主な原因。動脈硬化により血流が悪くなると、心筋梗塞や脳梗塞を発症するので注意が必要です。

高血圧症は収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義されます。自宅で測るか病院で測るか、また何時に測るかなどで数値は変わってくるため、どれを基準にするか医師と相談しましょう。基本的に生活習慣を見直すことにより改善を図りますが、180/110mmHg以上の場合は、ただちに薬物治療の対象になります。

外来で「血圧が高いと言われましたが、体は何ともないので薬はいりません」と言う患者さんがいますが、何か症状が出てしまったら命にかかわる場合がありますし、65歳以上や他にリスク要因を抱えている方は180/110mmHg 以下でも心血管疾患を発症する可能性があります。また、「薬を飲んでいましたが、血圧が下がったので飲むのをやめます」と自己判断で中止する患者さんは、薬の効果が切れたら、また血圧が上昇する可能性が高いため危険です。

医師は患者さんの状態や症状を見て、ガイドラインに沿って一番合う薬を選択しています。自己判断で飲むのをやめたり家族や知り合いに分けたりしないでください。また、血圧は自分で測ることができますので、「血圧手帳」を付け管理しておくと治療方針を決定するのに役立ちます。

一方、脂質は大切な栄養素ではありますが、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えると、血管壁に取り込まれて蓄積してしまいます。また、中性脂肪が多いとLDLコレステロールが増えHDLコレステロール(善玉コレステロール)が減るので、間接的に動脈硬化の原因になります。生活習慣の改善で脂質管理が不十分な場合や、糖尿病、慢性腎臓病、末梢(まっしょう)動脈疾患などのリスクがある場合は、薬物治療の必要があります。

外来で「家族性高コレステロール血症と言われたので、薬を飲んでも仕方ないです」と言う患者さんがいますが、むしろ生活習慣の改善だけでは脂質管理が難しいため、薬物治療が必要になります。また、「筋肉が壊れる副作用があると聞いたので、薬は飲みたくありません」と心配する患者さんがいますが、頻度は0.01%ほどとまれで、左右対称に大腿(だいたい)部など大きな筋肉に出現するのが特徴的。自己判断はせず、まずは医師に相談してください。

コレステロール値は自分で測ることができないため、健康診断などで定期的に状態を把握することが大切です。

高血圧症も脂質異常症も、まずは生活習慣の改善に努め、それでも管理できない場合は、早期に医師と一緒に対策を考えましょう。

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