徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)9月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1149 三面

8K技術を医療に応用
より鮮明な画像で安全性アップ

8K腹腔鏡手術システムの展示ルーム。左から硬性内視鏡、コンソール台、4Kモニター、8Kモニター 8K腹腔鏡手術システムの展示ルーム。左から硬性内視鏡、コンソール台、4Kモニター、8Kモニター

NHKが中心となり開発を推進している放送メディア「8Kスーパーハイビジョン」。8K技術を駆使した超高精細の映像と三次元音響により、臨場感あふれるコンテンツが楽しめるのが最大の特徴だ。

この8Kを医療に応用する試みが進んでいる。一般財団法人NHKエンジニアリングシステムの伊藤崇之・専務理事は「8Kは現在のハイビジョン(2K)の16倍の画質を誇り、より鮮明で、より色合いが豊かな映像です。その特徴を医療で活用する検討を進めています」と説明する。

そのひとつが腹腔(ふくくう)鏡を用いた大腸がんの手術システム。同財団と国立がん研究センター、オリンパス、NTTデータ経営研究所の4者が日本医療研究開発機構のサポートを受け開発。8K用に新規開発した硬性内視鏡と、これを固定するアーム、操縦卓、2台のモニターで構成、術者はスタッフにカメラのズームやフォーカスを指示するとともに、患部をアップにした映像(4K)と患部周辺まで含んだ映像(8K)を見ながら手術する。

「従前は患部の状態を確認するのに内視鏡を近づけなければならず、その際にほかの器具が接触したり、電気メスによる蒸気でレンズが汚れ、抜いては洗浄することを繰り返したりしていました。8Kシステムでは近づけなくても電子ズームで患部の詳細がわかります。カメラの小型化と電子ズーム装置の開発などシステムの完成に1年以上かかりました」と伊藤・専務理事。

従来のハイビジョン(左)の映像と比べると一目瞭然 従来のハイビジョン(左)の映像と比べると一目瞭然

新たなシステムに対し、医師からは「非常に鮮明で実物のよう」、「血管が立体的」といった声が寄せられているという。3月には同センターで世界初のヒトを対象にした臨床試験を実施、今年度は症例を増やし医学的な有効性を検証する。同システムを活用し、腹腔内映像からがんを診断する新しい診断法も検討中だ。

このほか8K技術を遠隔診療に生かす試みも進んでいる。総務省の実証実験で長崎県の離島にある医療機関で撮影した皮膚疾患の8K画像を、長崎大学病院の皮膚科専門医が見てアドバイス。

同財団の金次保明システム技術部長は「8Kが多様な分野で認められ、社会に貢献できれば嬉しいです」。

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