徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)9月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1149 三面

対象の疾患診療科拡大
ロボット活用が加速
PCIや人工股関節置換術

治療はロボットのサポートが当たり前!? 医療でロボットの活用が加速している。海外はもとより、国内でもその波が押し寄せつつある。PCI(経皮的冠動脈形成術)や人工股(こ)関節置換術を支援するロボットも登場。最終的にはAIと連動し遠隔診療などに結び付きそうだ。

医療用ロボットとしてイメージされるのが内視鏡下手術支援ロボット「ダヴィンチ」。日本では2009年に医療機器として承認され、12年に前立腺がんの全摘術、16年に腎臓がん手術に公的医療保険が適用。今年4月には新たに肺がん、食道がん、胃がん、直腸がん、膀胱(ぼうこう)がんなどを対象に12の術式が加わった。

ダヴィンチの活躍の場が広がるなか、最近は国内外で新たなロボットの開発・販売に向けた動きが活発化。整形外科や脳神経外科、眼科など対象となる診療科・疾患も多岐にわたり、治療のサポートにロボットが欠かせない時代の到来を予感させる。

CorPath GRXシステムのイメージ CorPath GRXシステムのイメージ

日本では直近で6月に厚生労働省がPCI支援システム「CorPath GRXシステム」を新医療機器として承認。米国の企業が開発したシステムで、PCIで用いるガイディングカテーテル、ガイドワイヤー、バルーン、ステントを離れた場所で操作する。

処置台横のレールに関節アーム、ロボットドライブと単回使用カセットを取り付け、カセットにガイドワイヤーやバルーン、ステントなどを装着、コックピットで前進・後退・回転といった操作を行う。

1ミリ単位の微調整も可能なため、バルーンやステントが最適な場所に留置しやすいなど、患者さんにとってはもちろん、カテーテル室の医療従事者にもメリットをもたらす。国内での販売権をもつ日本メディカルネクストの三浦明夫・専任マネージャーは「一番は医療従事者の被ばくリスクの軽減。PCIはX線透視下で行うため被ばくリスクが高い。一般的にX線装置との距離が離れるほどリスクが軽減するとされ、一部が鉛の入ったアクリル板仕様になっているコックピットで操作することで、被ばくを避けます」と説明する。

3つのジョイスティックで直感的な操作が可能。病変の長さも測定できる 3つのジョイスティックで直感的な操作が可能。病変の長さも測定できる

単回使用カセットに装着できるカテーテルなどは、一定のサイズやタイプであればメーカーを問わない 単回使用カセットに装着できるカテーテルなどは、一定のサイズやタイプであればメーカーを問わない

また、座ってモニターを間近で見ながら治療できる点もアピール。「当社の調査では、年齢に関係なくPCI術者の3人に1人が腰痛など整形外科的障害を経験しており、こうした健康阻害リスクも軽減されると期待しています」。

現在、導入している医療機関はなく、安全性を担保したうえでの普及に向け、国や関係学会と協議しているという。同システム以外にも整形外科領域で昨年10月、人工股関節置換術の支援ロボットの販売を厚労省が承認している。

同社の井上正勝・循環器グループ長は「今後も医療用ロボットは発展していく」と予測。「最終的にAIと連動させ遠隔診療などに結び付くと考えます」。ただし、「操作するのは人ですし、機器の故障などにより従来の治療法に切り替えることもあります。知識・経験が豊富な医療従事者の存在が不可欠です」と強調した。

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