徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)9月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1149 四面

遠隔診療
術中迅速病理診断に対応

「病理医不足を解決していきたい」と青笹最高顧問 「病理医不足を解決していきたい」と青笹最高顧問

病理医は患者さんの体から採取した組織や細胞を調べ、病気の有無や進行度などを判断する。多くの場合、「病理診断」を最終診断として治療方針を決定するため、とくに、がん医療を行っている病院は病理医が必要だ。しかし、病理医は慢性的に不足しており、徳洲会でも全国71病院中、病理診断科の常勤医がいる病院は20施設にとどまる。

そこで徳洲会病理部門は「徳洲会病理3センター構想」を策定。2016年12月の九州・沖縄病理診断研究センター(T-KOP)開設を皮切りに、今年2月に大阪病理診断研究センター(TOP)、8月に東日本病理診断研究センター(TEP)を開設した。青笹克之・病理部門最高顧問(医療法人徳洲会顧問)は「地域ごとに徳洲会グループ病院の病理診断を3センターに集約することで、診断の質を確保します」と狙いを説明する。

病理部門が次なる課題として挙げたのが、術中迅速病理診断への対応だ。同診断は手術中の限られた時間内に、摘出した腫瘍が良性か悪性か確認したり、転移や取り残しがないかなどを調べたりする。この診断結果により、手術範囲や術式が決定するため迅速性と正確性が求められる。だが、病理組織は病院から同センターに送るため、どうしても時間的な制約が出てしまう。

そこで病理部門では同診断に対応するため、標本の画像データを同センターに送り、診断を返信するシステムの構築を進めている。今秋をめどに術中迅速病理診断用の標本をつくるために必要な機械を有し、これに臨床検査技師が対応できる病院を対象に、標本を画像データに変換・転送する装置の新規導入を検討している。青笹・最高顧問は「まずは3病院で課題を洗い出し、全国の病院に広げていきます。グループのがん医療の発展に貢献したい」と意気軒高だ。

石垣島徳洲会病院で実証実験

「AI の活用により医療の幅が広がります」と長嶺センター長 「AI の活用により医療の幅が広がります」と長嶺センター長

福岡徳洲会病院の長嶺隆二・人工関節・リウマチ外科センター長は、医療の問題を最先端技術で解決するための研究を行うNAM Asia HongKongが開発した遠隔診療システムの実証実験に協力する。

長嶺センター長は2013年から定期的に、石垣島徳洲会病院(沖縄県)で関節リウマチと変形性膝関節症の患者さんに対する外来診療を実施。専門医が常勤できない状況のなか、AIを利用した遠隔診療が専門治療の手助けになる可能性を感じ、まずは同院の患者さんの意識調査(71人・平均年齢68.8歳)を行った。

それによると、近くに専門医がいないと感じている人が多く(84.5%)、AI医療を信頼できる(81.7%)、AI医療に対し、ある程度の支払いはOK(78.9%)との結果を得た。長嶺センター長は「離島での専門医不在とAI医療への期待が現れました」と強調する。

そこで長嶺センター長はNAMの中野哲平・代表取締役社長と面談し、同社が開発した遠隔診療システムに着目した。同システムはチャットボット(AIを利用し人間との対話やメッセージのやりとりを行う)を利用したもので、AIに質問と回答を覚えさせることで、AIが患者さんと対話し緊急度を判定。緊急度が高い場合、かかりつけ医にアラートが鳴り、専門医による遠隔診療の実施を知らせる。

今年中には石垣島病院で長嶺センター長が受けもつ外来患者さんを対象に実証実験をスタートする予定。同システムはスマートフォン用アプリになるため、端末を所持していない患者さんには貸し出して実験を進める。長嶺センター長は「今後は脈拍や血圧などをウェアラブル装置で自動計測、AIと連動させ、より精度の高い緊急度判定ができれば良いと思います」と展望を語っている。

PAGE TOP

PAGE TOP