2018年(平成30年)8月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1147 二面
「上級医が教えてくれない」
札幌東徳洲会病院がセミ開催
札幌東徳洲会病院は7月28日、院内で「上級医が教えてくれないセミナー」を初開催した。研修医や医学生が対象で、臨床現場では教えきれない、さまざまな内容がテーマ。院内外から20人ほどが参加した。
「なるべく他のセミナーでやらないテーマを選びました」と増井部長
セミナー冒頭、太田智之院長の挨拶の後、増井伸高・救急科部長が「YBM(YouTube Based of Medicine)動画サイトで勉強するメソッド」と題し講義。①指脱臼の整復、②釣り針の抜き方、③指鼻指試験の異常――をテーマに参加者はノートパソコンから動画を検索、代表者が探し当てた動画をプレゼンする形式で進行した。
増井部長は「再生回数が多い動画は一般の方がつくった可能性があり、できれば医師が作成した動画を探すのがベター」とコツを伝授、「手技は動画で勉強するほうが良い場合もあります。慣れると何を書籍で、何を動画で勉強すれば良いかわかるようになるため、ぜひ効率良く活用してください」とまとめた。
続いてのテーマは「医学書を読む医学書ソムリエが送る医学書ベストバイ」。増井部長、佐藤洋祐・救急科医師、松田律史・救急科医師が、それぞれ分野ごとに自分で実際に読んだうえで、推奨できる医学書を紹介。医学生からの「医師国家試験対策には、どんな参考書を買えば良いか」という質問には、会場の初期研修医が答える場面もあった。
増井部長は「院内の研修医が全員同じ医学書を使えば共通認識ができ、会話しやすくなります。どの本を使っているか指導医とも共有しておいてください」とアドバイスを送った。
院内外から20人ほどが参加し研鑽
次に佐藤医師が「underserved population(社会的弱者)への〝MOE〟医療」と題しグループワーク。MOE医療とは、妄想力を働かせ、患者さんが隠そうとする情報を引き出したうえで医療を実践することを指す造語。参加者はグループに分かれ、提示された症例に対し患者さんの背景を妄想し対応を検討、さらに追加で提示された患者さんの隠された情報を加味し、あらためてどのように対応すべきか話し合った。
佐藤医師は「患者さんの気持ちに同調するのではなく、患者さんは自分とは別の存在だと認識し、冷静に状況を把握することが大切。患者さんの背景に思いを巡らすことを、ふだんの診療で習慣付け、妄想力を養ってください」と説いた。
最後に松田医師が「コメディカルと相思相愛で患者医療へ還元できるスゴ技10選」をテーマに講義。挨拶をする、時間を守るなど、社会人としてのマナーに加え、同じ医療職でも医師と看護師では考えていることが違うことを認識し、共通項目を見つけながら助け合うことが大切と強調した。
同セミナー創設の発案者である増井部長は「なるべく他のセミナーではやらないようなテーマを考えました。指導医として研修医に気付いてほしいこと、逆に研修を終えた医師が研修医時代に知りたかったことなどをベースにしています」と意図を明かし、「今後は初期研修医にも企画に参加してもらい、よりニーズに合致した内容を目指したい」と展望している。