2018年(平成30年)8月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1147 四面
「ホスピスのこころ研究所は原点回帰」
6月1日に活動を開始したNPO法人ホスピスのこころ研究所。理事長を務める札幌南徳洲会病院の前野宏総長は、どのような思いで立ち上げたのか。設立の経緯や今後の展望を聞いた。(関連記事あり)
前野・札幌南徳洲会病院総長に聞く
――設立の理由は?
「一言で言うと原点回帰。先人が育んできたホスピスの心を継承するとともに探究し、広めていきたいのです。ホスピスはホスピタリティーを語源とし、『もてなし』や『相手に喜びを与える』といった意味合いで、もともとはケアの分野でした。ところが、最近は医療の一分野として捉えられるようになり、エビデンス(科学的根拠)を重視するなど質が変わってきているように感じます。もちろん、どちらか一方が正しいと言うつもりはありません。医療は科学ですから根拠に基づくことは当然です」
「ただ、今一度、ホスピスを精神的な側面から考える場があっても良いと思います。一昨年、『ホスピスのこころ』をテーマに掲げ、第41回日本死の臨床研究会年次大会で大会長を務めさせていただいた時に『このままで終わりたくない。何か形にしたい』と思い、このたび設立しました」
――なぜNPO法人なのか?
「一般の方を巻き込んで、さまざまな活動を展開したかったからです。ホスピスの心を探究し、広めていくには一般の方の関心が不可欠。医療者だけが努力しても実現しません。医療法人では活動に限界がありますし、NPO法人として活動することに意義があると考えています」
――今後の具体的な活動は?
「年3回、連続性をもたせた教育セミナーを介護従事者に行うこと以外は現在、決まっていません。年に2回くらいのペースで、さまざまな識者を招き、一般に向け講演を実施したいと思っています。あくまでもニーズに合わせ展開したい考えです」