2018年(平成30年)1月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1118 三面
日本NP学会 第3回学術集会
徳洲会から6演題
医療をつなぐ診療看護師
日本NP学会第3回学術集会が千葉県成田市で開催された。テーマは「医療をつなぐ診療看護師(NP)」。徳洲会からは一般演題を中心にNPの有資格者が6演題発表した。概要を紹介する。
チーム医療、診療支援、役割など多様なテーマでNPが発表
NPは大学院のNP養成コースを修了し、日本NP教育大学院協議会の認定試験に合格した看護師を指す。2015年10月には厚生労働省の「特定行為に係る看護師の研修制度」が施行され、同研修を受講することで看護師も一定の条件下で自律的に特定の医行為(21区分38行為)を行うことができるようになった。
NP養成コースには同研修が組み込まれており、NPにはこうした高度な看護実践能力に加え、チーム医療実践能力、倫理的かつ科学的根拠に基づいた判断能力などが資質として求められている。
一般演題では5人が口演(口頭発表)。札幌東徳洲会病院の今井崇NPは
「当院における診療看護師の役割と課題」をテーマに発表した。今井NPは日頃の業務内容を紹介したうえで、病棟管理を行うNPの役割と課題を検討。検査、注射、投薬、病状説明、診療情報提供書作成について、救急科医師1人当たりとNP1人当たりの作成件数の比較結果をふまえ、「病態が軽症から中等症である患者さんの薬剤管理や、病状を見とおしたうえでの家族や多職種との調整はNPの役割のひとつとすることが可能です」とまとめた。
東京西徳洲会病院の小泉哲治NPは
「包括的指示により介入した糖尿病患者の治療成績の報告」と題し発表した。入院と外来のそれぞれに関して、形成外科や内科からの包括的指示など、糖尿病患者さんへの介入方法に触れたうえで、NPの介入による治療成績を紹介。「良好なコントロールが得られ、治療と教育を一緒に行うことで、ドロップアウトを防ぐことができました。発表時点ではNPの血糖調整で問題は発生していません」と結んだ。
札幌東病院の増田陽介NP(看護副主任)は
「診療看護師が行う誤嚥(ごえん)性肺炎包括的診療マネジメント」。増田NPは70歳代の誤嚥性肺炎患者さんの症例に即して、身体的側面(肺炎治療、疼痛(とうつう)管理)、心理的側面(うつ症状、食思不振)、社会的側面(情報提供)への介入を説明し、各側面に対する同院NPの業務を紹介。「すべてに介入できるNPが医療をつなぐ重要な役割を担います」とまとめた。
札幌東病院の桝田佳枝NPは
「末梢(まっしょう)挿入式中心静脈カテーテル(PICC)挿入のコンピテンシーの考察」をテーマに発表した。コンピテンシーとは、優れた成果を出す行動特性のこと。桝田NPはPICC挿入のコンピテンシーに達するまでの必要な症例数を検討した。同院の症例を集積してデータを分析。「およそ30件の経験で、1回で穿刺(せんし)が完遂する割合が増し、コンピテンシーを習得できると考えます」と発表した。
介護老人保健施設かまくら(神奈川県)の小野寺明子NPは
「介護老人保健施設における多剤併用の現状」。小野寺NPは高齢者の多剤併用への介入の可能性を検討した。90人の調査対象のうち最多で12剤、平均で5.2剤を服用。降圧剤の使用割合が最も多かった。「NPは症状の消長を身近に理解しやすく、疼痛緩和目的に処方されているNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)など対症療法薬は、タイムリーな減量または中止ができる可能性があります」と報告した。
湘南藤沢徳洲会病院(同)の田邉愛NPは
「死後処置に関する取り組み」をテーマにポスター発表した。同院では死亡退院時の医療デバイス抜去などに関して、NPによる死後処置の院内規定を作成、実際に処置のトレーニングも行っている。「診療看護師がかかわることで死後処置の多様化に対応し、質の高い死後処置を提供できる可能性が示唆されました」と結んだ。
このほか、湘南鎌倉総合病院(同)の戸田泉NPが「職能」をテーマとするポスターセッションで座長を務めた。