徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)8月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1095 四面

読み解く・読み得“紙上医療講演”⑦
危険な不整脈を見極める

今回のテーマは不整脈です。8月10日は「健康ハートの日」。夏に心と体をチェックして、心疾患の多発する冬に備えましょう。厚生労働省によると、日本人の死因の第2位が心疾患。この主な症状のひとつに不整脈があります。健康診断などで不整脈があると指摘された方もいると思いますが、その症状や治療法などを、名古屋徳洲会総合病院の加藤千雄・循環器内科部長が解説します。

加藤千雄・循環器内科部長 名古屋徳洲会総合病院 加藤千雄・循環器内科部長 名古屋徳洲会総合病院

不整脈とは文字通り「脈の乱れ」のことです。脈のリズムが乱れる不整脈に加え、徐脈(脈拍が足りない状態、安静時50回/分以下)、頻脈(必要以上の脈拍を打っている状態、安静時100回/分以上)があります。いずれの場合も全身や脳に対する血の巡りが悪くなるため、息切れや動悸(どうき)、倦怠(けんたい)感が現れるばかりでなく、失神などを生じることもあります。

脈のリズムが乱れる不整脈のひとつに、心房細動があります。発症初期は動悸や息苦しさなどの症状が出ることがありますが、無症状の場合もあります。これ自体は命にかかわる病ではありませんが、心臓内で血栓(血の塊)ができやすく、これが脳梗塞を引き起こす原因になるため、発症したらつねに血液をサラサラにする薬を飲んで予防する必要があります。

ほかにも、心室細動という命にかかわる不整脈や、QT延長症候群、ブルガダ症候群といった突然死を引き起こす不整脈を発症する病気もあります。

一方、不整脈は健康な人でも見つかることがあり、その多くは自覚症状の大きさに関係なく治療の必要はありません。自分の不整脈が治療を必要とするのかどうか、正確に見極めることが大切です。

この診断には心電図、心エコーのほか、ホルター心電図という24時間心電計を携帯し脈拍を記録する検査を行います。通常1日の総心拍数は約10万回で、そのすべてを解析し治療の必要性を検討します。検査の結果、治療の必要がないと診断された場合は、普通に生活していても問題ありませんが、急に悪化することもありますので、定期的に検査を受けることが大切です。

不整脈の発生源を示す心臓の3Dマッピング 不整脈の発生源を示す心臓の3Dマッピング

治療の第一選択は、1994年に保険適用になったカテーテルアブレーション治療(心筋焼灼(しょうしゃく)術)。これは不整脈の発生源となっている心臓内の部位を専用のカテーテル(細い管状の医療器具)で焼灼し、根治を目指す治療法です。不整脈による症状が緩和され、薬を飲まなくてよくなるため、QOL(生活の質)改善につながります。

開胸手術の必要はなく、大腿(だいたい)の付け根や肩口からカテーテルを挿入して心臓に誘導するため、侵襲性が低いのが特徴。一般的に治療時間は2~4時間で、術後2~3日で退院できます。

この治療法は20年間で飛躍的に進歩しました。今後も電気を流すデバイス(医療機器)、不整脈の発生源を特定するための3Dマッピング技術(CT=コンピュータ断層撮影の写真から立体画像を構築)は進歩していくでしょう。

不整脈をもつ多くの方々は自覚症状がないため、1年に1回、心電図測定を行ったり、日頃から脈拍を測ってみたりすることをお勧めします。安静時に50~100回/分以内か、脈の乱れがないかを確認しましょう。わかりにくい場合は、病院内などに設置している血圧計を使うと、不整脈がある場合はエラーメッセージが出ることがあります。

動悸や倦怠感などの症状がある人はもちろん、少しでも不整脈の心配がある方は、早めに主治医にご相談ください。

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