2015年(平成27年)12月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1009 二面
徳洲会 リハビリ部会
管理者のあり方学ぶ
全国から代表者76人が参集
徳洲会グループのリハビリテーション部会は10月31日から2日間、大阪市で全国病院代表者会議を開催した。管理者としての悩みを共有し、諸問題にどのように対応するか協議するのが目的。今会議は69病院・施設から76人が参加し、教育講義や事例紹介を通じ指揮命令系統の確立の仕方や教育体制の整備、労務管理、キャリアデザインのあり方などを学んだ。
「管理者に必要な議題をまとめました」と前部会長
リハビリ部会では、より濃密な会議となるよう全国の徳洲会病院・施設に事前アンケートを取り、同会議での協議内容を決定。部会長の前宏樹・岸和田徳洲会病院(大阪府)リハビリ室長は冒頭、そのアンケートのなかで、とくに組織管理や人材育成について学習要望が強かったことから、管理者教育講義にそれらを盛り込んだことを伝えた。
3題の教育講義のうち1題は、体系的な管理・教育法を確立している徳洲会看護部に協力を要請、講師として岸和田病院の山上美恵子・看護部長を招聘(しょうへい)した。
山上部長は「リーダーシップと部署管理の考え方」を、看護管理を引き合いにユーモアを交えて解説した。最も大切なポイントとして「患者さんのため」という思いを組織全体で共有していることを挙げ、「この思いが各人の念頭にあれば、ほとんど間違いは起こらないと思います」と重要性を強調。
具体的な管理法としては①計画(情報収集と課題の抽出、理念や目標の設定と予算編成、戦略構築など)、②組織化(組織図や業務規程の作成、チーム編成、権限移譲、業務計画立案など)、③指揮(意思決定、決定事項の動機付け、諸問題の調整、人材育成、各自の力を最大限生かすエンパワーメントなど)、④統制(質や業務の評価、情報処理、労務管理など)のプロセスを紹介した。
地域包括ケアシステムなどを解説する皆川顧問
リハビリ医の皆川晃慶・徳洲会リハビリ部会顧問は、「地域包括ケアシステムにおける病院の役割と今後の対策」を教育講義。団塊の世代が後期高齢者になる2025年問題を取り上げ、社会保障費の増大により医療・介護・福祉の中心は国から地方へ、病院完結型から地域完結型へ移行している現状を紹介した。この流れのなかで整備を進めている地域包括ケアシステム、さらに認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要も解説。
また、全国の療法士資格保持者は増加の一途をたどっており、急性期、回復期、生活期のすべてにリハビリスタッフが密接にかかわるようになってきている反面、評価・改善の仕組みが確立されていない、人員不足など課題もあることを紹介。
一般社団法人徳洲会の岸良洋一・医事部長は「2025年問題を見据えた次期診療報酬の概要と適時調査の対策」と題し教育講義。来年度の診療報酬改定を見据えた解説に、参集した代表者らは真剣な表情でメモを取った。このほか5病院の事例紹介や新病院である成田富里徳洲会病院(千葉県)の近況報告、各部門からの報告などを行い、2日間の会議が閉会した。