徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

整形外科の病気:腰部脊柱管狭窄症

神経が圧迫されて歩行障害などをきたす

人間の背骨、脊椎は頚椎、胸椎、腰椎からなり、体の柱であり、その上には頭部が乗り、またその下は骨盤につながっています。

背骨の中で腰の部分、腰椎においてその中を通る神経が入っている管(脊柱管といいます)が部分的に狭くなり、神経が圧迫されて、下肢のしびれ、疼痛、歩行障害などをきたすようになった状態を腰部脊柱管狭窄症といい、通常多くは加齢の変化に伴う骨の増殖(上関節突起の増殖)、靭帯の肥厚(黄色靭帯の肥厚)などが狭窄の原因となっています。また腰椎の中で部分的に前後方向に緩みがあるような場合(不安定性がある場合)には腰を曲げたり伸ばしたりする動きによって狭窄が出現することもあります。

最大の原因は加齢による狭窄

もともと生まれながらにして神経が入っている脊柱管が狭い先天性(発育性)の狭窄と加齢の変化に伴う後天的な変性による狭窄、および分離すべり症に伴うもの、手術後に起こる医原性のもの、外傷後に起こったものなどがありますが、通常最も頻度が高いのは加齢に伴う変性よるものです。

また脊柱管狭窄には脊柱管の中心部が狭くなるタイプ(正中部狭窄)と脊柱管の横の方が狭くなるタイプ(外側部狭窄)、あるいはその両者の合併したタイプがあります。

下肢のしびれや間欠性跛行が代表的な症状

代表的な症状としては、下肢のしびれ、下肢痛、間欠性跛行が挙げられます。腰椎部の脊柱管には通常脊髄の枝である馬尾神経と、その枝である神経根が入っており、狭窄部で馬尾神経および神経根が圧迫されることで、下肢にしびれ、あるいは放散痛が出現し、またある程度の距離を歩いているとだんだん足が前に出なくなり、立ち止まって休憩するようになる、いわゆる間欠性跛行が出現するようになります。また腰部脊柱管狭窄症では腰椎を伸展(背筋を伸ばす)すると狭窄は強くなり腰を曲げると狭窄は緩みます。そのためまっすぐに背筋を伸ばした状態で立っているとだんだん足がしびれてくるようになります。

生活に支障がなければ薬物療法、あれば手術

腰部脊柱管狭窄による下肢のしびれがあっても日常生活での動作で特に問題がない場合は、必ずしも直ちに治療が必要というわけではありません。症状が高度でなく、日常生活での支障があまりない場合はまずは薬物療法で経過をみます。腰部脊柱管狭窄症に対する薬物療法としては狭窄部で圧迫されている神経の血流を改善する目的でプロスタグランディンE1製剤、および末梢神経の状態を改善する目的でビタミンB12製剤を投与します。

狭窄がある程度以上高度で下肢のしびれが強い場合、下肢痛が強い場合、また間欠性跛行が高度な場合、すなわち日常生活での支障が大きい場合は手術的加療を検討します。狭窄部で神経組織が圧迫されている場合、狭窄を解除し神経への圧迫を除去すると症状は良好に改善することが期待されます。全身麻酔で腰の後ろから腰椎を展開し狭窄の原因となっている厚くなった黄色靭帯、および骨増殖した上関節突起の内側部などを切除することで神経の圧迫を除去することができます(後方除圧術)。また狭窄部位で椎間に不安定性がある場合は除圧後に椎間を固定することで不安定性をなくすことができます。通常1箇所の除圧術にかかる手術時間は40〜60分程度で出血量は50ml程度です。固定術を追加すると1椎間の手術時間は2時間程度となり出血量も100〜200ml程度となりますが、個々の症例により時間、出血量は増減します。

術後は2日目から歩行可能で手術後1週間〜10日くらいで退院可能です。
脊椎の手術を多く行っている施設では腰部脊柱管狭窄症に対する手術は最も多い手術の一つとなっています。

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