
病気の治療
medical treatment

medical treatment
膝関節を安定化させる靱帯として、内側には内側側副靱帯、外側には外側側副靱帯、膝関節脛骨の前方から大腿骨側に向かう前十字靱帯、脛骨の後方から大腿骨側に向かう後十字靱帯があります。膝靭帯損傷は、これらの靱帯が膝関節にかかる外力によって損傷し、症状を呈してくる疾患です。受ける外力が大きくなると単独の靱帯損傷ではなく、複数の靱帯に損傷をきたしてくることもあります。
主にラグビー、柔道など人と接触する機会が多いスポーツによる受傷だけでなく、バスケットボールやバレーボールなど急激な体位変換動作やジャンプの着地動作等によっても受傷することが多いようです。自転車やバイクなどの交通事故、転落などでも受傷します。膝への外力の加わり方によって種々の靱帯の損傷をきたします。
受傷すぐの時期は、膝関節部の疼痛、腫脹、圧痛等があります。急性期を越えると腫脹は軽減してきますが、膝崩れや膝の不安定感が現れてきます。
医師による病歴聴取や局所の診察でどの靱帯が痛んでいるか推察されます。徒手的に膝関節にストレスをかけてレントゲンを撮影するストレス撮影によっても診断することはできますが、MRIによる画像診断の診断率が高く、多くの施設で用いられています。
治療方法は、保存的治療と手術療法の2つです。
なお、複数の靱帯の損傷がある場合、新鮮損傷では保存的、手術療法と議論されています。受傷から時間が経過して、不安定性が残っているようであれば手術療法が選択されます。
術後のリハビリテーションは施設によって異なりますが、3~6カ月ほどのリハビリテーションで膝の可動域がアップし、筋力も増強してくればスポーツ活動へ復帰することとなります。

図1