徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)4月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1282 四面

教えてドクター 舌の傷ががん化することも

松下文彦 榛原総合病院(静岡県)副院長兼歯科口腔外科科長(日本口腔外科学会専門医・指導医、日本顎関節学会専門医、インフェクションコントロールドクター(ICD)、日本化学療法学会認定歯科医師) 松下文彦
榛原総合病院(静岡県)
副院長兼歯科口腔外科科長(日本口腔外科学会専門医・指導医、日本顎関節学会専門医、インフェクションコントロールドクター(ICD)、日本化学療法学会認定歯科医師)

舌にある口内炎がなかなか治りません(58歳・男性)

お答えします。

A 一般的な口内炎はアフタ性口内炎と呼ばれ、類円形で中央が少し陥凹(かんおう)して黄色味かかっています。体調不良や粘膜の浮腫によって生じやすく、おおむね1週間程度で完治します。ウイルス性により生じるものは、同時に多発しますが、2週間あれば完治します。

一方、口腔(こうくう)内の傷はかんだり、やけどしたり、義歯や虫歯など鋭くとがった部分に擦れて傷が生じたりして、治りにくいことがあります。とくに、こうした傷が慢性的に続くことで腫瘍に変化するケースもあります。

傷はなくても、表面がふぞろいに隆起している、ザラザラしている、周囲と明らかに異なる赤味や白味を帯びている──などの場合も、腫瘍に変化しやすい病変(前がん病変)の可能性があり、注意が必要です。舌に生じる腫瘍や前がん病変は痛みをともなわないこともあるので、同じ部位の病変が2週間経っても治らない時は、早めに口腔外科などで専門医に相談しましょう。

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