2021年(令和3年)3月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1279 二面
病気のはなし㊸
米国で1回接種を承認 新型コロナワクチン
米食品医薬品局(FDA)は2月末、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの緊急使用を承認した。同ワクチンは、通常の冷蔵庫程度の温度(2~8度)でも3カ月は保管が可能なことと、1回のワクチン接種で抗体獲得を目指す1回接種型であることが特徴。
3大陸で実施した治験では、接種14日後の予防効果が66%と、これまで開発されたワクチンよりやや劣るものの、インフルエンザワクチンと同程度の効果が期待でき、さらに保管のしやすさ、接種が1回ですむ点などが評価されている。同ワクチンの臨床試験は日本でも高齢者を含む健康な成人を対象としたフェーズ1を実施、今のところ具体的な契約はないものの、今後、供給の可能性はある。
世界保健機関(WHO)の3月3日の発表によると、世界で実用に至っているワクチンは9種、臨床試験の最終段階のフェーズ3に入っているワクチンは38種に上り、ワクチン開発はラッシュを迎えている。有効なワクチンが出回るにつれ、開発段階のワクチンの臨床試験がしづらくなるという懸念もあるが、コロナワクチンはインフルエンザのように毎年接種が必要との見方もあり、引き続きワクチン開発は熱気を帯びそうだ。