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Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)1月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1269 一面

新春特別企画㊤
業務オートメーション化 国内初の全自動検体検査
湘南鎌倉病院がシステム構築

医療を取り巻く技術の進歩によって、人の手が担っている業務の一部を自動化する動きが加速している。湘南鎌倉総合病院(神奈川県)検査部は検体検査を自動化するシステムを構築。病棟のエアシューターや検体搬送システム、各種測定機器の統合による国内初の全自動検体検査システムだ。業務の効率化により、臨床検査技師が、より専門性を生かした業務に時間を費やせるようにするのが狙い。

全自動検体検査システムの一部。写真は検査項目に応じ仕分ける装置全自動検体検査システムの一部。写真は検査項目に応じ仕分ける装置

検体検査は検査依頼、検体採取、検査部門への輸送の後、大きく3つの工程に分けられる。分析前、分析中、分析後の各工程だ。分析前は受け付け、遠心分離、開栓、分注、仕分けの各種工程があり、測定機器での分析を経て、分析後の再検、閉栓、保存、廃棄という工程をたどる。同院が導入した全自動検体検査システムは、これら分析前・中・後の工程を自動化するものだ。

具体的には、病棟から提出された検体を収める専用の気送子という入れ物がエアシューターを伝って検査部に運ばれ、検体搬送システムに自動投入。装置の内蔵カメラがスピッツ(採取した検体を入れる容器)のふたの色や形を識別し、側面に貼られたバーコードの情報を読み取り、ロボットアームが検査項目に応じた仕分けを実施。

1時間当たり1,175本の処理が可能だ。そのまま測定の工程に入り、冷蔵庫へ保管し、保管期間が過ぎたら廃棄を行う。スピッツ9,000本まで保管可能。これら一連の工程を自動で行う。

同院検査部の加賀谷範芳技師長(臨床検査技師)は「業務の効率化を進め、検体検査の精度管理や測定結果の解析、輸血検査や細菌検査、病理検査など自動化が難しく人の手が必要な検査、そして患者さんに直接対応する生理学的検査に多くの時間を費やせるようにしていきたい」と展望する。

「精密で正確、スピーディな検査業務を」と湘南鎌倉病院検査部スタッフ「精密で正確、スピーディな検査業務を」と湘南鎌倉病院検査部スタッフ

この全自動検体検査システムの導入は、2019年2月に締結したシーメンスヘルスケアとのパートナーシップ契約に基づく取り組みの一環で、20年5月上旬から運用を開始。血液を検体とする生化学検査、凝固検査、血液検査、免疫検査に対応し、21年1月中には血算検査にも対応する予定。

課題はバーコードに傷があったり歪んでいたりすると識別できず、ラインから排出され手作業となる点。排出率の低減が効率化進展の鍵を握っている。小野祐太郎副主任(臨床検査技師)は「精密で正確、またスピーディな検査に寄与するものです。気を緩めず質の高い検査業務を心がけていきたい」と意欲的だ。

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