徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)3月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1227 三面

東京西病院の佐藤副院長ら
小線源治療を国内外で発表
米国“レッド・ジャーナル”に論文採択

「PBIの普及に期待したい」と佐藤副院長

東京西徳洲会病院が、倫理委員会承認の下で開始した小線源を用いた乳房部分照射(PBI)が、国内外で注目を集めつつある。同治療法は早期乳がんに対する乳房温存術後の放射線治療で、乳房内に直径約2㎜のマルチカテーテルを複数刺し、その管の中に線源(放射線を出す物質)を移動させることで、乳房内部から腫瘍切除部分に近い場所にのみ放射線を照射する。現在、標準的な治療とされている外部からの全乳房照射に比べ、照射範囲が小さく治療期間が短い。

同院では佐藤一彦・副院長兼包括的がん診療センター長が中心となり、これまで640人以上に実施。有効性と整容性について良好な結果が得られていることから、佐藤副院長は一連の取り組みを論文にまとめ、米国の放射線学会(ASTRO) 機関誌『International Journal of RadiationOncology・Biology・Physics』(別称レッド・ジャーナル)に投稿、採択された。

「予後や乳房が小さい方にとってのメリットなどをまとめました。欧米人に比べてアジア人は乳房が小さく、世界的に見ても小さな乳腺に関するデータはあまりないため、価値を見出していただいたようです。放射線治療で最も権威ある雑誌に採択されて光栄です」と佐藤副院長。

国内では、昨年11月に名古屋市で開かれた日本放射線腫瘍学会第32回学術大会(メインテーマ「切らずに治すがん治療-現時点での集大成と将来展望-」)で、同学会からの要望演題として発表。

「画像誘導小線源治療」をテーマとするセッションで、5演題のうち佐藤副院長が「乳房サイズの小さい乳癌患者に対するマルチカテーテル小線源乳房部分照射の有用性」、加藤雅宏・放射線科部長が「小線源加速乳房部分照射中のcavity volume(空洞容積)の変化が線量分布に及ぼす影響」をテーマに報告した。

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