徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)3月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1227 ニ面

日本病態栄養学会・学術集会
徳洲会が5演題発表

23回日本病態栄養学会年次学術集会が京都市内で開かれた。テーマは「栄養をつなぐ」。徳洲会は5演題を発表した。

精神疾患患者さんの栄養管理について意見を交わした岡部・副薬局長(右から3人目精神疾患患者さんの栄養管理について意見を交わした岡部・副薬局長(右から3人目)

学術集会は1月24日から3日間開催。「精神疾患患者に対するNST(栄養サポートチーム)の関わり」をテーマにしたシンポジウムでは札幌徳洲会病院の岡部幸男・薬局副薬局長(薬剤師)が「精神疾患患者薬物療法と栄養関連合併症・副作用――薬理学的観点から――」と題し発表した。

前半は基礎薬理学について解説。抗精神病薬を中心に、それらが作用する脳神経、医薬品の効果判定、ドーパミン(神経伝達物質)受容体との関連、副作用に気付くためのポイントなど基本的な内容を、他職種にもわかりやすく説明した。

後半は症例報告をベースに、精神疾患患者さんの栄養管理の難しさを指摘。患者数は匹敵しながらも糖尿病患者さんほど栄養管理に関するデータがないことにもふれ、「認知症を含め、今後、抗精神病薬を服用する患者さんが増えてくると思われるため、対応を一層考えなければなりません」と強調した。

一般演題では、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の森貴久・脳卒中センター長がD-dimer(深部静脈血栓症などの発症の有無を調べる検査)高値の危険因子をテーマに口演(口頭発表)。独立危険因子として血清アルブミン低値、高齢、低体重と、低栄養状態の条件があてはまることを指摘し、該当者は脳卒中入院時にD-dimer 採血を行ったほうが良いとする具体的なデータを示した。

同院の滝島抄恵・栄養管理センター副主任(管理栄養士)は、以前勤務していた東京西徳洲会病院で行った乳がん術後内分泌療法の患者さんに対する体重管理を目的とした栄養指導について発表。乳がん術後の内分泌療法は副作用に体重増加が挙げられており、肥満や体重増加は再発リスクの増加を招くことが指摘されている。

肥満群(BMI25以上)、体重増加群(BMI25未満で治療期間中に5㎏以上増)に分けて、栄養指導による体重減少の効果を検討。両群とも有意に体重減少効果を得たことを報告した。

ポスター発表は次のとおり。▼菊地千明・仙台徳洲会病院栄養管理室副室長(管理栄養士)「低たんぱく米を用いたたんぱく質調整により明らかな進行抑制がみられた糖尿病性腎症によるCKDG5期の1例」▼秋元玲奈・湘南鎌倉病院管理栄養士「脳卒中患者の食事傾向〜食事調査票を用いて〜」。

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