徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)3月9日 月曜日 徳洲新聞 NO.1226 三面

徳洲会全体スキル向上
外傷整形外科部会 第2回学術集会を開く

徳洲会外傷整形外科部会は1月18日、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)で第2回学術集会を開催した。今回の当番世話人である同院外傷センターの二村謙太郎部長が大会長を務めた。「足部・足関節骨折」を主題として13演題、さらに外部講師を招聘(しょうへい)して特別講演も行った。徳洲会グループの整形外科医を中心に全国から約30人が参加、知見を深めるとともに活発な質疑応答を通じ研鑽(けんさん)を積んだ。

「徳洲会では外傷整形外科領域の診療機会は多い」と土田部会長「徳洲会では外傷整形外科領域の診療機会は多い」と土田部会長

外傷整形外科医療の質向上や病院間の交流・連携を目的とした徳洲会グループの医師の学術集会が開催されるようになったのは2016年。初年度の会場は福岡徳洲会病院だった。当時は外傷整形外科集談会という名称で開いていた。17年、南部徳洲会病院(沖縄県)、18年、吹田徳洲会病院(大阪府)で開催。19年1月、グループの部会として再出発してから初の学術集会を宇治徳洲会病院(京都府)で催した。

当日、湘南鎌倉病院と湘南厚木病院(神奈川県)の副院長・外傷センター長を兼任する土田芳彦部会長は「徳洲会グループは多くの病院で救急医療に力を入れているため、外傷整形外科領域の患者さんを診療する機会は多いです。この学術集会ではcommon(一般的)で、よくある外傷をしっかりと治せるようになることに主眼を置き、グループ全体のスキルアップを図ることを狙いとしています。そのなかでも今回は“足部・足関節骨折”を主題としました」と挨拶。

学術集会は4部制で実施。第1部では受傷部位を問わない一般演題とし、第2部と第3部では足関節に絞った主題発表、第4部は足部を扱う主題発表とした。

一般演題では、宇治病院整形外科の徳山良之副院長が「大腿骨(だいたいこつ)および脛腓骨(けいひこつ)開放骨折の骨欠損に対し血管柄付き骨移植とリング式創外固定による脚延長術を施行した1例」をテーマに発表。原付バイクで乗用車と衝突し救急搬入された10代男性の症例で、大腿骨と脛腓骨の開放骨折に加え、肺挫傷や足部の多発骨折を合併。受傷当日、デブリードマン( 壊死(えし)組織の除去)や創外固定の処置を実施し、下腿(かたい)は皮膚欠損と骨欠損があったため、下肢を数センチ短縮し創外固定を行った。

2カ月後、大腿骨骨欠損に対しては腓骨血管柄付き骨移植を実施しプレートで固定。4カ月後、脛腓骨骨欠損に対してリング式創外固定により脚延長などを開始した。徳山副院長は「骨欠損と皮膚欠損が同等の場合は患肢を短縮して一次閉創する方法は有用と考えます」と結んだ。

発表後には活発に質疑応答発表後には活発に質疑応答

また主題発表では、福岡病院整形外科の中村厚彦部長が「足関節後果迷入骨片の1例」をテーマに発表した。後果は足関節後方の関節を形成している部分。足関節果部骨折では後果骨折を合併することが多く、関節面の陥没骨片が整復阻害因子になることがある。

中村部長は、交通事故により後果骨折を合併した右足関節脱臼骨折の40代女性患者さんの症例に即して、治療経過や骨折の形態に関する分類について説明。「小骨片であれば摘出し後果を整復しますが、陥没骨片のサイズが大きい場合は整復固定が望ましいと考えます」とまとめた。

グループ外からの発表者もおり、国保旭中央病院整形外科の武田拓時医師が「整復に難渋した踵骨(しょうこつ)載距突起骨折の1例」をテーマに発表を行った。

特別講演では、骨折の形態に関する分類法のひとつである原口分類の考案者である聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の原口直樹教授が「足部・足関節外傷領域におけるcontroversy― 足の外科医はこう考える―」と題して発表。後果骨折の分類や発生機序、治療のほか、脛腓靱帯(じんたい)結合損傷の治療、固定材料の選択、リスフラン関節損傷の受傷機転や分類、手術方法などについてレクチャーした。次回の学術集会は名瀬徳洲会病院(鹿児島県)を会場に開催する予定だ。

そのほかの発表は次のとおり。▼辻英樹・札幌徳洲会病院整形外科・外傷センター副院長(当時)「腋窩(えきか)神経麻痺(まひ)を合併した高齢者上腕骨近位端脱臼骨折の1例」、▼土肥義浩・八尾徳洲会総合病院(大阪府)整形外科医長「肘関節後方脱臼を伴った尺骨鈎状突起骨折と前方関節包に対するsuture button repair」、▼岩崎圭至・松原徳洲会病院(大阪府)整形外科部長「当院の足関節脱臼骨折の問題症例の検討」、▼樫原稔・名瀬病院整形外科部長「脛骨遠位端Triplane fractu re 受傷の2年後に同一肢にJuvenileTillaux fract ure を受傷した1例」、▼石橋卓也・福岡病院整形外科医師「Pilon 骨折に対してIlizarovg 創外固定器を用いた二期的手術を行った1例」、▼長谷川真之・湘南鎌倉病院外傷センター医長「内果骨片翻転により解剖学的に整復し得たPilon 骨折の1例」、▼林智志・岸和田徳洲会病院(大阪府)整形外科医長「脛骨遠位端骨折に対する髄内釘固定」、▼池上晃一・名瀬病院整形外科部長「踵骨骨折に対する固定の工夫」

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