徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

石川 真(いしかわまこと)白根徳洲会病院院長(山梨県)

直言 生命いのちだけは平等だ~

石川 真(いしかわまこと)

白根徳洲会病院院長(山梨県)

2020年(令和2年)3月9日 月曜日 徳洲新聞 NO.1226

地域に必要とされるものこそ生き残れる
時代の大きな変化を感じて共に頑張ろう
違う文化もつ病院群まとめ上げる努力が発展に

「医療法人徳洲会の理念。生命を安心して預けられる病院。健康と生活を守る病院――」。当院の一日も朝8時会での理念の唱和で始まります。理念を唱和するたびに、全国の仲間を意識せざるを得ません。

「徳洲会はグループ全体で患者さん救える集団」実感

最近、私が引き受けた救急患者さんのことをご紹介します。おなかの張った弱々しい80代男性。他院に4カ月通っても診断がつかないとのこと。ひと目見て、がん性腹膜炎腹水貯留を疑いました。翌日、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)オンコロジーセンターにお願いし、精査目的転院、肝内胆管がんでステント留置を行い2週間で帰院しました。続いて50代女性は、岐阜県よりイベント参加で来県、手足の脱力を来し救急搬送。K(カリウム)値1・4と異常低値で内分泌疾患を強く疑いました。K補正後、大垣徳洲会病院(岐阜県)に転送。精査の結果、副腎腫瘍、原発性アルドステロン症であることが判明しました。

イレウス(腸閉塞)で緊急入院した50代男性は昨年、山梨県内の病院から湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)へ転送され、内ヘルニアの緊急手術を施行された既往あり。患者さんは宗教上の理由により輸血できず、県内で受け入れられる病院はないため、湘南藤沢病院まで転送されたとのこと。手術時の診療情報を提供いただき、保存的に加療を行い、「徳洲会ありがとう」と言って元気に退院されました。沖縄県から単身赴任の50 代男性は腹痛、嘔吐(おうと)にて救急搬送。CT(コンピュータ断層撮影)で大腸がんイレウス、多発肝、肺転移と診断。緊急ストマ(人工肛門)造設術のみ行い、中部徳洲会病院(沖縄県)に転送、集学的治療をお願いしました。

各症例は湘南鎌倉病院の下山ライ・オンコロジーセンター長、大垣病院の間瀬隆弘院長、湘南藤沢病院地域医療連携室、中部徳洲会病院の伊波潔院長、南部徳洲会病院(沖縄県)の赤崎満院長にご高配いただき、「我々には仲間がいる」と勇気と安心をいただきました。徳洲会は患者さんをグループ全体で救うことができる集団であることを職員ともども実感しました。

昨年、厚生労働省が「再編統合について、とくに議論が必要」とする公立・公的病院のリストを公表しました。非効率な医療を提供している病院は統廃合するとの号砲でしょう。山梨県はその一環で県民にアンケート調査を行いました。「医療施策に関して、とくに要望したいものは何ですか?」との問いに対し、1番目に「夜間や休日に救急対応ができる医療機関の確保」、2番目に「高齢者が長期に安心して療養できる病床の確保」、3番目に「身近な診療所と総合的な病院の協力体制の推進」といった意見が挙がっていました。

そこには「高度な医療機器を備えたハイテク病院をつくれ」といった意見はまったくありません。私は、救急病院であり、かつケアミックスである当院の方向性と合致することに気付き、背中を押される気持ちになりました。そして年頭所感で職員にこんな言葉を投げかけました。
「当院は地域に欠かせない存在として認知されつつあります。地域に求められていることを自覚し自信をもちましょう。老舗のデパートが幕を閉じ、大型スーパー、コンビニが台頭するといった変化は、住民に必要とされるものこそが生き残れる真実を物語っています。時代の潮流は明らかに官から民に、かじを切っています。ぜひ時代の大きな変化を感じ、共に生き残りをかけて頑張ろう」

理念や共通言語あるからこそ文化が異なっていても花咲く

グループの病院が担う役割は地域や規模によって違います。当然、文化も異なりますが、それは徳洲会の理念や共通言語がベースにあって花咲くものと理解します。徳洲会の理念や共通言語の上に、各病院が違った文化を醸成すること、さらに違った文化をもつ病院群をひとつのグループとしてまとめ上げる努力こそが今後のグループの発展につながるのではないでしょうか。医療制度改革真っ只中の今だからこそ、自分が身を置く病院の方向性、今後の徳洲会の目指すべき道を皆で注視していくことが大事だと思います。

私は夢、やる気といった決してお金には代えられないものに喜びを感じて働く職員と、これからも共に歩みたい。皆さんを全力で支えたい。皆さんの夢を未来につなぎたいと思っています。皆で頑張りましょう。

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