徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)2月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1224 四面

災害訓練で初の試み
院内調整やDMATと連携 福岡病院&湘南藤沢病院

福岡徳洲会病院と湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)はそれぞれ災害訓練で初の試みを実施した。福岡病院は最近の大規模訓練をふまえ、院内の体制・環境を整備し病院機能の維持・回復を主眼としたトレーニングを実践。湘南藤沢病院は、内閣府主導の大規模地震時医療活動訓練にともなうDMAT(国の災害派遣医療チーム)の受け入れを行い、終了後に「災害勉強会」と称して札幌東徳洲会病院医師が講演を行った。

各部署からの情報を適切に管理する災害対策本部(福岡病院)各部署からの情報を適切に管理する災害対策本部(福岡病院)

福岡病院は地域での大規模な地震を想定。病棟看護師を中心に約80人の職員が参加し、とくに一次対応の次のステップとして院内の体制・環境を整える訓練を実施した。具体的には①職員管理部の設置、②託児所の設置、③ICU(集中治療室)・HCU(高度治療室)の増床、④仮設病棟の開設―の4つ。

①は参集した職員を管理する部署。効率的に災害対応を行う観点から、新たに災害対策本部内に位置付けることを試みた。今回は瀬上希代子・看護部長と在宅部門の事務職員らが担当し、集まった職員にマグネットシートにフルネームを記載させ、ホワイトボードに記された配置先に貼付。災害対策本部を通じ、人手が足りない部署に職員を送る機能も担った。

災害対策委員の鈴木裕之・救急科医長は「当院では震度5強以上で職員が自主参集することになっていますが、集まる場所など細かいルールは設けていませんでした」と指摘。「災害時はトリアージ(重症度・緊急度選別)の指揮所や簡易の薬局・会計など新設部署が少なくありません。エレベーターが使用できないなか、患者さんや物品の搬送などで人手が必要なケースもあります。誰がどこにいるのかが把握しやすく、マンパワーを蓄える部署の必要性を以前から感じていました」と説明。

リハビリスペースを仮設病棟にリハビリスペースを仮設病棟に
駆け付けた兵庫DMAT隊員を迎え入れる湘南藤沢病院駆け付けた兵庫DMAT隊員を迎え入れる湘南藤沢病院

②は子どもをもつ職員が参集しやすいようにするのが目的。とくにセキュリティーが高い小児科病棟内に設置した。③と④は受け入れる患者数の増加への対応が狙い。ICU・HCUはエレベーターが使えない前提で、同じフロアの日帰り手術室からベッド、手術室から電子カルテ、内視鏡室からモニターを移設した。バイタルサイン(生命兆候)の記録や検査のオーダーを手書きで行うシミュレーションも行った。

仮設病棟はリハビリテーション室を活用。リハビリベッドに布団を敷き簡易のベッドを10床設けた。ほかにエアストレッチャーによる模擬患者の移動などを実践した。

訓練はトラブルなく終了。鈴木医長は「最近は約200人の職員が参加し、初期対応中心の訓練でした。もちろん、それも重要ですが、ある程度、院内を整備しないと、その後の対応ができません。発災して半日~1日くらい経過した時のシミュレーションを行うことで、当院のレベルアップが図れると思いました」と振り返った。今後については「また大規模訓練の実施や、訓練できていない部署のトレーニングなどにも取り組んでいきたい」と意欲を見せている。

傷病者受け入れ机上訓練

屋外で衛星電話をチェック屋外で衛星電話をチェック

湘南藤沢病院は、内閣府が実施した大規模地震時医療活動訓練にともないDMATの受け入れを行った。同訓練は首都直下地震で東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に甚大な被害が発生と想定し、国や地方自治体、関係機関などが連携して当該活動を行うにあたり組織体制の機能と実効性の検証、協力関係の円滑化を図るのが目的。

このうち湘南藤沢病院は川崎市・横浜市の医療機関で対応しきれない多数の傷病者を、DMATと協力しながら可能な限り受け入れる机上訓練を行った。院内の災害対策委員会のメンバーを中心に約50人が参加。院内の災害マニュアルをもとにDMAT隊員と協議しながら、動線や運ばれた傷病者の収容スペースを確保する印を病院マップに書き込んだ。

途中、運ばれた傷病者の状態が記された用紙をもとにトリアージを行った。携帯電話が使用できないという想定から、屋外で衛星電話の使用方法などを確認、地域に設けられたDMATの拠点に連絡し、応援を要請する場面も見られた。

自院の課題などを交え講義する合田医師自院の課題などを交え講義する合田医師

訓練は2時間で終了。災害対策本部でEMIS(広域災害救急医療情報システム)の確認などを行った梶原聖治・事務部長は「これまで当院は災害が起これば出ていく側でした。南海トラフ地震の発生が予測されるなか、今回、DMATと一緒に訓練できたのは良かったです」と振り返った。災害対策委員会の佐藤哲也・看護師長は「地域における当院の役割を再確認できました。今後は地域連携も視野に訓練をしていきたい」と意欲を見せた。

終了後は院内で「災害勉強会」も実施。札幌東病院の合田祥悟・救急集中治療センター医師が講師を務め、自院の災害対策の取り組みや、2018年の北海道胆振(いぶり)東部地震で被災した時のエピソードを紹介。一定のレベルに復旧・再開復帰するにはBCP(事業継続計画)策定の必要性などを訴えた。

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