2019年(令和元年)11月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1209 四面
次世代リーダー育成研修 徳洲会医事部会が初開催
広い視野で多様な事案対応へ
リーダー候補に期待を込める岸良部会長
徳洲会グループ医事部会は9月28日から2日間、千葉県内で医事全国部会研修会を開催した。今回は同部会にとって初めて次世代リーダー育成をテーマに設定。全国のグループ病院から次代の医事課を担うリーダー候補者、執行部を含む総勢91人が参加した。
初日の冒頭、部会長の岸良洋一・一般社団法人徳洲会事務部長が挨拶。あらためて、部会やグループの発展には次世代リーダーの教育が欠かせないとし、研修の意義を強調するとともに、出席者には、将来のリーダーとして日々のレセプト業務にとどまらない視野の広さと、自ら対応していく力を養う必要性を訴えた。
その後、10月の消費増税対応をテーマに講義。消費税の仕組みや医療機関としての対応など基本的な内容を解説したうえで、グループにとって増税による影響の試算を提示。施設ごとに経営計画の達成状況を作成する方針を掲げるとともに、参加者に対し計画に積極的にかかわる姿勢を求めた。
続いて、医療法人徳洲会と医療法人沖縄徳洲会の加藤俊昭・専務理事が業務量データについて説明。各種業務報告や事業計画、診療機能などの一覧を示し、病院運営にかかわる資料にも関心をもって業務にあたるよう心構えを説いた。損益データにも言及し、損益管理表の各経費項目について説明。医事課業務の中心となる医業収益だけでなく、経費にも関心をもち広い視野で多様な事案に対応できる力を身に付ける大切さを指摘した。
参加者は診療点数早見表を持参。適宜、確認しながら講義を受ける
このほか、2日間で①働き方改革・業務改善、②施設基準の基礎/適時調査対応、③増収対策――など多様なテーマで講義を実施。①では、同一労働同一賃金や最低賃金、長時間労働の上限規制、社会保険適用の拡大、新配偶者控除、年次有給休暇5日の取得義務化などを学び、②では参加者が研修前に作成した適時調査で使用する「調査票」を用い、適時調査の事前準備を疑似体験するとともに、調査票をベースに入院基本料に関連する知識や対応法などを学んだ。
③では、実際に厚生労働省などが公開しているデータとグループ病院、自院のデータを示しながら、各データを比較し院内の各部門との連携によって経営改善対策を講じる必要性を説いた。システムに関する講義も行い、新たに導入を予定しているレセプト点検システムの概要や活用事例の紹介、既存のシステムの機能を生かし効率的に結果を出す運用法を共有した。
最後に岸良部会長が挨拶。参加者をねぎらい、今後も次世代育成をテーマとした研修の開催を継続する意向を示した。