徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)10月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1206 四面

読み解く・読み得“紙上医療講演”㉙
予防が大切な骨粗鬆症

今回は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)がテーマです。日本整形外科学会によると、骨粗鬆症とは「骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気」のこと。日本には1000万人以上の患者さんがいると言われ、高齢化の進展とともに増加傾向にあります。たとえば大腿骨(だいたいこつ)が骨折を起こしやすくなり、その骨折がきっかけで活動量の低下などから寝たきりになるケースも少なくありません。QOL(生活の質)や健康寿命を大きく左右する疾患です。札幌東徳洲会病院放射線科の新城浩二技師長が検査や予防方法などを解説します。

新城浩二・札幌東徳洲会病院 放射線科技師長 新城浩二・札幌東徳洲会病院 放射線科技師長

骨はつねにリモデリングと呼ばれる新陳代謝が行われています。それによって、古くなって弾力を失いもろくなった骨が、再びしなやかで強い骨に生まれ変わります。

これは、古くなった骨を溶かす「破骨細胞」と、溶けた骨を修復する「骨芽細胞」の働きによって繰り返されています。骨芽細胞は、食べ物から摂取し腸から吸収したカルシウムを、骨の表面に定着させることで骨の修復を行っています。

骨粗鬆症とは、骨の内部がスカスカになってしまう状態のことであり、長年の生活習慣などによって“骨量”が減少し、骨折を起こしやすい状態、もしくは実際に骨折を起こしてしまった状態を指します。高血圧や高脂血症、糖尿病とならび、生活習慣病のひとつと言ってもよいでしょう。

骨量は男女ともに30歳前後でピークに達し、その後は加齢とともに減少していきます。とくに女性は50歳前後の閉経時に、女性ホルモンの分泌の減少にともない、急激に低下する時期があります。これは女性ホルモンが破骨細胞のコントロールにかかわっているためです。骨量は非常に重要な指標であるため、腰背部痛などがなくても、身長が1年で2㎝以上縮んだ場合は骨量を測定することをお勧めします。

骨量の測定方法には超音波法、DXA法(デキサ法)、MD法(マイクロデンシトメトリー法)があります。現在はDXA法が主流です。同法は微量のX線で腰椎、橈骨(とうこつ)、大腿骨など骨折を起こしやすい身体の各部を詳しく計測することで骨量を調べる方法です。

骨粗鬆症による胸腰椎圧迫骨折のX線画像(右、矢印が骨折箇所)。左は正常例 骨粗鬆症による胸腰椎圧迫骨折のX線画像(右、矢印が骨折箇所)。左は正常例

骨粗鬆症で骨折しやすい部位はいくつかあります。たとえば、肩の付け根、肋骨(ろっこつ)、手首、太ももの付け根などです。骨粗鬆症は、このような箇所の骨折を引き起こし、生活の質や健康寿命の低下を招きます。

長年の生活習慣が大きく影響するため骨粗鬆症は予防が大切です。生活習慣には個人差があるため、心配な方は医療機関を受診し、一人ひとりの状態や生活に即した取り組みが大切ですが、一般的には食事、運動、日光浴が予防の三大原則と言われています。

まず食事ですが、1日800㎎のカルシウムを食品から摂取することが必要とされています。とくに乳製品はカルシウムの吸収率が良いため、1日200㏄を目安に牛乳を摂りましょう。また、カルシウムの吸収率を高めるために、キノコや魚類からビタミンDを摂ることも望ましく、タンパク質をしっかりと摂ることも大切です。

適度な運動を行うことで骨形成が促進されることから運動も重要です。ウォーキングや筋力トレーニングなどバランスよく運動を組み合わせて行ってみてください。また、カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、食べ物からだけでなく、紫外線を受けることによって体内でつくられることが知られています。日光に当たりすぎるのはよくありませんが、適度に当たることはビタミンDの生成を促します。

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