徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)9月9日 月曜日 徳洲新聞 NO.1201 四面

日野病院協力 精神科デイケアに力を注ぐ
館山病院が依存症を回復支援

館山病院(千葉県)は精神科デイケアに注力している。精神科デイケアとは精神疾患の再発防止や社会復帰を目的に、運動や文化活動などを実施する日帰りのリハビリテーション。同院は精神科外来に通う患者さんに加え、依存症リハビリテーション施設である館山ダルク(男性専用)とチバマリア(女性専用)の利用者さんも受け入れ、依存症の回復をサポートしている。

館山ダルクなどから受け入れも

後列左から小野医師、竹内院長、田村秀禎事務長、前列は館山ダルクなどのスタッフ後列左から小野医師、竹内院長、田村秀禎事務長、前列は館山ダルクなどのスタッフ

館山病院の精神科デイケアは、「大規模」に分類され、利用者さんの上限は70人。施設基準として①精神科医師2人、②作業療法士または経験有する看護師1人、③看護師1人、④臨床心理技術者または精神保健福祉士1人、⑤精神科医師以外の従事者1人―を満たす必要がある。

精神科デイケアでは、精神科患者さんの社会生活機能の回復を目的として、個々の患者さんに応じたプログラムに従い、グループごとにリハビリテーションを行う。実施する内容の種類にかかわらず、実施時間は患者さん1人当たり1日につき6時間を標準とし、同院では午前9時から午後3時まで実施。

同院は、徳洲会グループの精神科専門病院である日野病院(神奈川県)の協力を得て精神科外来を実施、そこで必要とされた患者さんが精神科デイケアを利用する。同時に、依存症リハビリテーション施設である館山ダルク(男性専用)とチバマリア(女性専用)の利用者さんの受け入れも実施。現在、同院の患者さん約10人、館山ダルクの利用者さん30~40人、チバマリアの利用者さん10~20人が通っている。

同院が依存症回復のサポートを行う意義について、竹内信一院長は「アルコールや薬物に依存している方は、全国にたくさんいるのが現状です。回復のお手伝いをすることは社会貢献のひとつだと考えています。精神的なケアだけでなく、合併した疾患、たとえばアルコール依存症なら肝臓が悪いケースも多いので、こうした疾患もしっかりフォローしていきます」と説明する。

同院が精神科デイケアを開設し、館山ダルクの利用者さんの受け入れを開始したのは9年前。当時は職員たちから反対意見もあったが、看護部を中心に他の地域のダルク、精神科デイケアを実施している病院などを見学し、全員が理解したうえで導入を決めた。

また、地域の方々への理解も必要なため、医療講演などを行い、周知を図っている。

特別視は偏見を生み出すひとりの人間として対応

精神科デイケアで実施するグループミーティング精神科デイケアで実施するグループミーティング

同院の精神科デイケアで行う依存症回復プログラムは、まず午前中にグループミーティングを実施。利用者さんが司会も務め、つらかったこと、怒ったこと、楽しかったことなどテーマに沿って、一人ひとりが考えやエピソードを話す。その際、正直に話す、他言しない、話を遮らないのがルールだ。10人いれば10とおりの考え方があるため、そのなかで自分との共通点を見つけたり、人の話をきっかけに考えを巡らせたりして、自身の生き方を見つめ直す。

昼食をはさみ午後は運動や文化活動。卓球で体を動かしたり、映画鑑賞をしたりして過ごす。これは気分のリフレッシュと同時に、依存以外の楽しみを知るのが目的だ。「女性の依存症患者さんも受け入れているのが大きな特徴だと思います」と話すのは、精神科デイケアを担当する小野憲爾・精神科兼内科医師。「依存症に限らず精神科の患者さんだから特別ということはありません。精神に生じた不具合を治療するのですが、それは患者さん本人にしかできません。私たちはそのサポートをするだけです」と解説。

竹内院長も「依存症患者さんだから何か気を付ける、という考え方をすること自体が偏見を生みます。ひとりの人間として見なければいけません」と強調する。

また、小野医師は精神科デイケアの先にある館山ダルクやチバマリアが実施する就労支援にも期待を寄せている。「将来の目標が見えていると、治療を行う動機付けになり、早期の回復に結び付きます」。

新築移転した後も続ける精神科患者さんケア大切

館山ダルクの回復プログラムではマリンスポーツも行う館山ダルクの回復プログラムではマリンスポーツも行う

同院は2022年に新築移転オープンする予定だ。立地は現病院から北東方向に直線距離で約1・5㎞の幹線道路沿いになる。

新病院では①中規模、地域密着型、ケアミックスの病院とし機動力を発揮、②リハビリテーションを核とし急性期、回復期、慢性期の診療体制を整え、外科系診療科の手術対応を強化、③災害対応できる病院、④在宅医療や介護との関係強化、⑤優秀な人材の採用と地域の人材育成に貢献―という5つのコンセプトを掲げている。

同院が立地する館山市は温暖で豊かな自然に囲まれ、療養環境としても恵まれていることから「メディカルペニンシュラ(半島の病院)」として、メディカルツーリズム(医療観光)も推進していきたい考え。たとえば地域の旅館などとタイアップし、房総エリアの観光を楽しみながら同院で人間ドックを受け、健康管理に役立ててもらおうという構想だ。

現在、設計を行っている段階だが、もちろん精神科デイケアも継続する。竹内院長は「人生100年時代を迎え、徳洲会グループも高齢者に向けた医療やサービスに目を向けています。こうした社会のニーズに合わせた医療を提供するにあたり、依存症を含む精神科患者さんのケアも大切な分野のひとつになるのではないでしょうか」と問題提起している。

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