徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)8月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1146 二面

九州高気圧環境医学会
多岐演題で研鑽
清水・南部徳洲会病院部長が大会長
安全面に配慮を

第19回九州高気圧環境医学会学術集会が6月30日、沖縄県内で開かれた。南部徳洲会病院(沖縄県)の清水徹郎・高気圧酸素治療部長兼救急診療部長が大会長を務め、テーマは「今必要とされる高気圧酸素治療」。特別講演3題、一般演題11題の発表があり、このうち徳洲会グループ病院は一般演題で3題を発表した。

「安全管理には細心の注意が必要」と大会長の清水部長 「安全管理には細心の注意が必要」と大会長の清水部長

開会の辞で清水部長は、学会の成り立ちに触れたうえで、「4月の診療報酬改定で高気圧酸素治療(HBO)は大幅に点数がアップしました。これにともない全国で新しく始める病院が増えていますが、治療に携わる私たちは絶対に事故を起こしてはいけません。今後とも安全管理には細心の注意を払っていきましょう」と呼びかけた。

南部病院臨床工学部の赤嶺史郎室長(臨床工学技士)は「診療報酬改定に伴うHBO増患対策の見直し」をテーマに発表。同院のHBOは整形外科での導入が全体の59%を占め、救急での導入後、非救急で治療を継続するパターンが多くなった。今年度の診療報酬改定で治療回数に制限が設けられたため、増患対策が必要になったと説明。また前年度に導入が減少した疾患に対し啓発活動を展開した。

「多職種チームで安全に行える環境を」と太田技士長 「多職種チームで安全に行える環境を」と太田技士長

また、安全・確実な治療提供のためには、オペレーターの教育や円滑な業務ローテーションが必須とし、これには「安定した治療件数を維持する必要があり、臨床工学技士(CE)は運営が停滞しないように努めることが大切です」と強調した。

南部病院臨床工学部の向畑恭子副主任(臨床工学技士)は「第2種装置におけるスタッフの入室状況~入室の有無を判断できる臨床工学技士の必要性~」と題し発表。同院は第1種・第2種装置を有し、年間約3000件の治療を行っている。入室理由は患者さんの耳抜き困難、不穏、輸液管理などが多く、これらのリスクを事前に予測できることが重要とした。

入室スタッフ確保のためには院内全体での連携が重要であると指摘したうえで、「治療前から終了まで携わるCEは、第2種装置のメリットを最大限に活用した安心・安全な治療を提供できるよう、個々のアセスメント(評価)能力を向上させることが大切です」とまとめた。

演者の赤嶺室長(後列右から3人目)と向畑副主任(後列左から2人目)を含む南部病院の運営スタッフら 演者の赤嶺室長(後列右から3人目)と向畑副主任(後列左から2人目)を含む南部病院の運営スタッフら

宇治徳洲会病院(京都府)臨床工学救急管理室の太田雅文技士長(臨床工学技士)は「当院の高気圧酸素治療業務での多職種連携の取り組み」がテーマ。HBOにかかわる外来を含むすべての病棟に対し勉強会を開催したことで、業務改善につながったという内容を報告した。

医師、看護師、CEなど多職種の目線でHBO業務を行う重要性を再確認できたことを明かし「今後、定期的に勉強会開催や業務マニュアルの見直しなど行い、多職種チームでさらにHBOを安全に行える環境を構築していきたいです」と意気込みを見せた。

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