2018年(平成30年)7月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1144 二面
深井・湘南鎌倉総合病院部長
より安全に肺病変切除
日本呼吸器外科学会セミ
「VAL-MAPは少人数でも再現性、安全性を保って施行可能」と深井部長
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の深井隆太・呼吸器外科部長は第35回日本呼吸器外科学会総会・学術集会のアフタヌーンセミナーで、「少数スタッフでもできる!『画像支援を用いた小型肺病変切除』」をテーマに講演を行った。
深井部長は同院が導入しているVAL-MAP(バル-マップ)(Virtual Assisted Lung Mapping)と呼ばれる肺病変切除の安全性や精度の向上を目的とした術前マーキング手法を解説、症例を発表した。VAL-MAPは2016年9月に先進医療に指定、今年4月に保険適用となった手技だ。
触知困難な小さな肺病変が見つかった場合、手術するにはマーキングを行う必要があるが、従来のCT(コンピュータ断層撮影装置)ガイド下マーキングは部位によって難しく、気胸や出血など合併症が課題となっていた。そこで、より安全なマーキング手法として開発されたのがVAL-MAPだ。
手順は①CT画像をもとにバーチャル気管支鏡画像を作成し、ターゲット気管支を決定、②透視気管支鏡下に色素(インジゴカルミン)散布、③病変とマーキング部を色分けした3DCT画像を作成、④手術――という流れだ。
同院は東京大学医学部附属病院を中心とする多施設共同研究に参加し、15年2月にVAL-MAPを導入。深井部長はCT画像や気管支鏡画像などを供覧しながら自験例を紹介した。15年2月から18年2月にかけ36例・39病変に対し、97.4%と高率で予定どおりマーキングを実施。手技による合併症はなく、いずれの症例も病変を切除し得た。深井部長は「VAL-MAPは少人数でも再現性、安全性を保って施行可能です」などとまとめた。
講演後は活発な質疑応答が行われ、会場にはVAL-MAPの考案者である同附属病院呼吸器外科の佐藤雅昭講師も駆け付け、VAL-MAPの改良など今後の展望を示すひと幕も見られた。