2018年(平成30年)7月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1144 四面
親族間の修復腎移植
米国移植学会で発表
小川・東京西徳洲会病院センター長
東京西徳洲会病院の小川由英・腎臓病総合医療センター長は6月5日、米国移植学会(ワシントン州で開催)で、親族間の修復腎移植5例の有用性と安全性を評価する臨床研究の結果をポスター発表した。同移植術は7月5日に厚生労働省で開かれた先進医療会議で、第三者間の移植に関し条件付きで先進医療への適用を正式に承認、厚労省は条件の移植検討体制を確認後、先進医療として告示する。
ポスター発表する小川センター長
修復腎移植術とはドナー(臓器提供者)の腎臓に発生した小径(直径7㎝以下)がんを切除した後、同腎臓を修復、レシピエント(臓器移植者)に移植する治療技術(図)。これまで徳洲会グループは同移植の臨床研究を第三者間で13例、親族間で5例実施した。
今回、小川センター長が発表したのは男性2例、女性3例のドナーから親族の慢性腎不全のレシピエントに移植した症例。3例はABO血液型適合症例、2例はABO不適合症例だった。また3例は腎細胞がん、2例は血管筋脂肪腫。
結果は1例のレシピエントに術後2.5カ月で有害事象が発生したが、残りの4例(うち2例は同時に多発性嚢胞(のうほう)腎の両側腎切除術、1例は同時に腎切石(じんせっせき)術を受けた)はQOL(生活の質)を改善、良好な腎機能を維持している。
4例の直近の血清クレアチニン値は0.89~1.39mg/dlと正常範囲にあり、術後1~5.5年で全ドナー、レシピエントに腫瘍の再発を認めていない。
小川センター長は「小径腎がんを切除し修復した腎臓を用いる修復腎移植は、親族間の腎移植についても新たな治療の選択肢になり得ます」としている。