徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)3月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1123 二面

JSETS初級編
初の若手医師向け
日本重度四肢外傷シンポ

日本重度四肢外傷シンポジウム(JSETS)の初級編にあたる「JSETS principle Tokyo」が2月10日、都内で初開催された。世話人は湘南鎌倉総合病院(神奈川県)・湘南厚木病院(同)の土田芳彦・外傷センター長。若手医師を中心に60人以上の参加者が、外傷治療のエキスパートらの講義に真剣に耳を傾けた。

若手医師に向け外傷治療の基本を講義する土田センター長 若手医師に向け外傷治療の基本を講義する土田センター長

重度四肢外傷には救急、外傷整形外科、形成外科による集学的治療が必要。いかに命を救い、四肢を救い、そして生活を取り戻すのか――この戦略を討論する場として、土田センター長を中心にJSETSを毎年開催している。適切な救命処置から始まり、血行再建、創管理、骨再建、軟部再建、リハビリテーション、そして後遺障害治療など、学ぶべき内容は多岐にわたる。

昨年7月に開催した第4回では「境界領域を考える」をテーマに参加者が熱い議論を交わしたが、年を追うごとに内容が専門化、高度化しているのが現状。そこで若手医師に向け「JSETS principle Tokyo」を初開催するに至った。

「どのように考えながら治療しているか理解してほしい」と辻センター長 「どのように考えながら治療しているか理解してほしい」と辻センター長

冒頭、土田センター長が同会のコンセプトを説明。続いて「重度四肢開放骨折の基礎のキソ」と題したビデオ講義、ケースレクチャーではGustilo分類による開放骨折の重症度別、AO分類による筋腱(けん)損傷の重症度別に5つの講義を行い、最後に土田センター長が「Irrigation VACの四肢外傷への応用」をテーマに講義し、締めくくった。

ケースレクチャーのうち、Gustilo分類で3B、AO分類でMT1/2のケースを札幌徳洲会病院の辻英樹・外傷センター長が担当。実際に行った治療プロセスを示したうえで、「どのように考えながら治療したか、理解してもらえたらこの講義は成功です」とメッセージを送った。

土田センター長の講義は主に感染症対策がテーマ。Irrigation VACとは特定の機器を使用した陰圧閉鎖療法(NPWT)のことで、患部を被覆し圧をかけ局所創傷の治療を促進させる。土田センター長の経験に基づく話に、参加者は深くうなずいていた。

第5回JSETSは7月21日から2日間、都内で開催予定。

PAGE TOP

PAGE TOP