2018年(平成30年)3月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1123 四面
JMIP認証・地域別セミ
道内からの見学受け入れ
札幌東徳洲会病院が実施
外国人患者さんの受け入れで中心的な役割を担う国際医療支援室のメンバー
札幌東徳洲会病院はJMIP認証(外国人患者受入れ医療機関認証制度)の取得や外国人患者の受入れに関心をもつ病院の見学を受け入れた。これはJMIP認証制度を運用している一般財団法人日本医療教育財団が主催する「地域別セミナー・認証病院見学会(北海道会場)」として実施。
同院は2015年9月に北海道で2番目にJMIP認証を取得した医療機関だ。現在、道内では同院を含めて2病院がJMIP認証を取得。見学には民間病院に加え、北海道庁や札幌市保健所、医療コンサルティング会社などから10人が訪れた。約2時間かけ、プレゼンテーションと院内見学のプログラムを行った。
冒頭、札幌東病院の太田智之院長が「徳洲会は外国人患者さんの受け入れやJMIP認証の取得に積極的なグループです。海外からの観光客がどんどん増えているなか、受け入れ体制の強化を図ることは医療機関として重要な取り組みだと考えています」と挨拶。
続いて、同院医事課の佐々木寿希課長が外国人患者さんの受け入れを強化するようになった経緯や、受け入れ体制の整備、対応言語などについてプレゼンテーション。
同院はとりわけ地理的に近い極東ロシア地域とのとのかかわりが強い。1995年のサハリン大地震の発生時には、パンケーキクラッシュ(建物の柱がフロアを支えきれずにフロアごと下の階に崩落する現象)により負傷した小児患者2人を受け入れ、付き添ってきた鉄道省ハバロフスク病院の医師とともに手術、治療を実施するなど歴史的に深いつながりがある。
「救急医療に注力するなかで、外国人患者さんの救急搬送を受け入れる機会が増えてきていました。そこで院内の受け入れ体制を整備する一環として、13年4月に国際医療支援室を開設しました」(佐々木課長)
現在、英語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、韓国語、マレー語、インドネシア語など10カ国語に対応。国際医療支援室のメンバーは徐々に増え、医師や事務職員など計14人(他部署との兼務を含む)で構成している。外国人患者さんの受け付け方法や留意事項、ⅰPadを用いた通訳のITツール、未収金対応なども紹介。職員教育や意識付けの取り組みなども披露した。
佐々木課長は「認証取得を目指す道内の複数の病院を知ることができただけでなく、病院関係者と意見交換を行うなど交流をもつことができたため、当院としても見学を受け入れた意義がありました」と話している。