徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)9月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1098 二面

サイエンス漢方処方研究会
慢性疼痛がテーマ
第2回サマーシンポ開催

静仁会静内病院(北海道)の井齋偉矢院長が理事長を務めるサイエンス漢方処方研究会は8月20日、都内でサマーシンポジウムを開催した。これは同研究会の会員限定で行うイベントで、今回のテーマは「神経障害性疼痛(とうつう)漢方治療の新しいトレンド」。50人以上の参加者は演者の発表に真剣に耳を傾け、活発な議論を交わした。

「中身の濃い勉強会にしましょう」と井齋院長 「中身の濃い勉強会にしましょう」と井齋院長

冒頭、井齋院長は「学会や研究会ではできないような中身の濃い勉強会という性格を堅持していきたいと思います」と同シンポジウムの位置付けを強調したうえで、今回のテーマについて「痛みは急性期を過ぎると鎮痛薬では対応しきれなくなります。とくに神経障害性疼痛は精神的な側面も治療対象にしなければなりません。今回は漢方を積極的に使って成果を上げている3人の先生方に講演をお願いしました」と挨拶した。

まず、みつはたペインクリニック(東京都)の光畑裕正院長が「神経障害性疼痛に対する抑肝散(よくかんさん)の効果~抑肝散の抗アロディニア作用を中心に」をテーマに講演。抑肝散の臨床的な効果として、抗アロディニア(微小刺激が痛みとして認識される感覚異常)作用、痛みにともなうストレスの軽減などを列挙した。

さらに、自身が柔道の試合で頚髄(けいずい)損傷した後にアロディニアを発症した症例を紹介。星状神経節ブロックや鎮痛薬で軽快しなかったところ、抑肝散が著効したと報告した。

次に、健友堂クリニック(山梨県)の菅原健院長が「神経障害性疼痛に対するブシの鎮痛メカニズムとその適応について」と題し講演。大学に属していた時代に実施していた研究内容の経緯を明かし、最終的に、慢性疼痛の発現にはアストログリア細胞(中枢神経系の細胞のひとつ)がかかわっており、附子はそれを抑制する薬剤であることが判明したと報告。

全国から集まった参加者が漢方の知識を共有 全国から集まった参加者が漢方の知識を共有

続いて平田ペインクリニック(福岡県)の平田道彦院長が「慢性疼痛の漢方治療」をテーマに講演。慢性疼痛の原因は漢方でいう瘀血(おけつ)(血の流れの滞りにより起こる症状)であるとし、駆瘀血剤が有効であるとした。これには、瘀血が去らない背景的な要因に目を向けて治療することが重要であると強調。

よく遭遇するのは「冷え」、「気の異常」であり、後者の場合、患者さんによって異なる体質や環境を考えて漢方を選び、これに芍薬(しゃくやく)など駆瘀血剤を加えるのが良いと平田院長は説明した。

質疑応答の時間を多めに取り参加者は活発な議論を展開。最後に同研究会副理事長の鍋島茂樹・福岡大学病院総合診療部教授が挨拶し閉会した。

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