徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)9月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1098 一面

「看護部オンコロジー」設置
福岡徳洲会病院
がん患者さん強力サポート

福岡徳洲会病院は新たな部署「看護部オンコロジー」を設置、がん看護に力を入れている。従来、組織図上で別々に展開していた化学療法、放射線治療、緩和ケアを中心に、がんに関する看護を一元化することで、がん患者さんや家族が、より安心して治療を受けられるようにするのが目的。現在、がんに関する知識・経験が豊富な看護師7人が属し、情報共有とともに多様な部署・職種との連携を図りながら、がん告知にともなう精神的苦痛の軽減、がん治療の理解・意思決定のサポートなどを行っている。

治療の説明や意思決定の支援など

看護部オンコロジーのメンバー。(前列左から)松田みどり看護師、田口・看護主任、柴田さおり看護師、(後列左から)久田看護師、天野真紀・看護副主任、小手川仁美看護師、内山睦子看護師 看護部オンコロジーのメンバー。(前列左から)松田みどり看護師、田口・看護主任、柴田さおり看護師、(後列左から)久田看護師、天野真紀・看護副主任、小手川仁美看護師、内山睦子看護師

福岡病院看護部オンコロジー(腫瘍学)は倉掛真理子・看護部長直下の組織として4月に発足した。倉掛・看護部長が中心となり、同院看護部が教育の一環で実施している「がん看護コース」受講者のなかから、田口直美・看護主任(緩和ケア認定看護師)をはじめ、とくにがんの知識・経験が豊かな看護師7人を選抜。1カ月の移行期間を経て、5月から本格的にスタートした。

「がん化学療法看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、放射線治療室専従だった看護師など、それぞれ専門性をもっている看護師や、がん看護に意欲のある看護師を、倉掛・看護部長が選抜しました。一番若い看護師でも、がん看護の経験を7年ほどはもっています」(田口・看護主任)

患者さんの状態をカルテで確認する柴田看護師。記録も良いサポートを行うための大事な要素 患者さんの状態をカルテで確認する柴田看護師。記録も良いサポートを行うための大事な要素

看護部オンコロジーは、外来化学療法・放射線治療・緩和ケアにあたる看護師を一元化した部署で、患者さんの精神的な苦痛の軽減、高度化するがん治療の補助とケア、患者さんの意思決定の支援など、がんに関するさまざまなサポートを行う。

「今やがん治療は集学的治療の時代です。そんななか、たとえば化学療法を受けた患者さんが放射線治療を受けることになった時、同じ顔ぶれの看護師が対応することで、さまざまな気がかりや不安に感じていることを、安心して、相談しやすくなるのではないでしょうか。看護師にとっても、患者さんの気持ちがくみ取りやすくなるなど、良い効果をもたらすと期待しています」と田口・看護主任。

外来化学療法の患者さんに優しく話しかける久田看護師 外来化学療法の患者さんに優しく話しかける久田看護師

「どの看護師がどの治療分野を担当しても問題ないように基盤をつくっているところです」と明かすように、個々のスタッフが経験の少ない分野のスキルを上げるために、日々のメンバー配置を工夫するなど、治療の質低下を防ぐ配慮にも余念がない。なかには、新部署への配属を機に初めて互いに会話をしたというスタッフもいるため、コミュニケーションの円滑化を目的に、できるだけ昼食を一緒に摂ったり、終礼を行い問題点の早期解決を図ったりしている。

これまで同院のがん治療の体制は、外来看護師が化学療法室や放射線治療室などで、それぞれ対応しており、田口・看護主任だけが緩和ケア認定看護師として組織横断的に活動していた。

昼食もできるだけ一緒に摂りコミュニケーションを図る 昼食もできるだけ一緒に摂りコミュニケーションを図る

しかし、がん患者さんが増加する社会背景や、がん医療に注力する徳洲会グループの方針などをふまえ、体制を変更。田口・看護主任は「地域的に救急のイメージが強い当院を選んでいただいたがん患者さんに対して、看護部では何ができるかと考えた倉掛・看護部長の発案により、看護部オンコロジーが誕生しました」と説明する。

さらに「がん治療は、告知後から治療や療養場所の決定など意思決定の連続を余儀なくされます」と指摘し、精神的なサポートの重要性を強調。患者さんや家族の不安を少しでも解消するには「ひとりの看護師では限界があるため、このオンコロジー・ナースのチーム力で対応することが不可欠です」と訴える。

「がん治療の場は、いまや外来にシフトしてきており、当院でも、がんの告知や、治療を断念せざるを得ないといったシビアな説明を外来で行う機会が増えてきました。1時間ほどのやり取りだけで、患者さんの思いをくみ、ご本人が納得できる意思決定をサポートしたりしなければならないため、職種・部署の垣根を越えて患者さんを支える体制が必要なのです」(田口・看護主任)

さまざまな部署と連携を図る田口・看護主任 さまざまな部署と連携を図る田口・看護主任

看護部オンコロジー発足後、職員の意識も変化。メンバーの久田ゆかり・がん化学療法看護認定看護師は「がん治療はチームで対応することが本当に大事です」と指摘し、専門を生かした診療サポートはもちろん、職種間や部署間の調整役も「担っていきたい」と意欲を見せる。さらに「ひとりでも多くの職員が、がんに関心をもち、病院全体で対応ができれば」と期待も寄せている。

田口・看護主任は「ちょっとした配慮や言葉かけで、患者さんの心をケアする。そんなチームにしていきたいです」と意欲的だ。

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