徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)4月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1078 一面

野崎徳洲会病院
“脊椎ドック”スタート
人材の喪失と経済的損失を回避

野崎徳洲会病院(大阪府)は、脊椎(せきつい)疾患の予防や早期発見を目的とした脊椎ドックを開始した。一般的に脊椎は頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)などからなる背骨と呼ばれる部分をいう。手足のしびれや痛みのある方、脊椎・脊髄(せきずい)(脊椎の中にある神経組織)の健康状態を詳細に知っておきたい方などを対象に、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像診断)を用い脊椎の状態をチェックする。脊椎専門のドックを実施している施設は全国的にも多くはなく、同院は多様な選択肢の提供を通じ、地域の方々のニーズに、よりきめ細かく対応していく考えだ。

早期発見・早期治療が重要

「脊椎疾患も予防が大切です」と西部長 「脊椎疾患も予防が大切です」と西部長

脊椎ドックは「全脊椎ドック」、「頚椎ドック」、「胸椎ドック」、「腰椎ドック」の4コースを用意。それぞれのコースに応じCTとMRIによる画像検査を行う(表)。

CTでは脊椎の骨や関節の状態を横断面や立体図でチェック。靱帯(じんたい)(前縦(ぜんじゅう)靱帯、後縦(こうじゅう)靱帯)の骨化、骨棘(こつきょく)、分離症、すべり症の有無などを判断する。一方、MRIは骨・骨化病変以外の椎間板や神経の状態を確認するのに必須の検査。脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症、変形性脊椎症、椎間板(ついかんばん)ヘルニア、腫瘍、囊胞(のうほう)性病変、脊髄の変性、髄内病変の有無を調べることができる。

野崎病院の脊椎ドック検査内訳

検査名 全脊椎ドック 頚 椎ドック 胸 椎ドック 腰 椎ドック
画像検査 各関連部位MRI
頚椎CT
胸椎CT
腰椎CT
問診(結果説明) 当日もしくは後日
これらの画像検査の結果をふまえ、脳神経外科医が問診と結果の簡易説明を行う。病変が見つかった場合、経過観察も含め、内科的・外科的治療など必要な処置について説明を実施。結果の詳細については、1~2週間後を目安に郵送で書類を送付する。

野崎病院脳神経外科の西正吾部長は「医師になって2年目の1985年に、初めて脊椎脊髄手術に従事しました。それ以降、当院を含め赴任した病院で、骨損傷のない頚髄(けいずい)損傷の症例を見るにつけ、貴重な人材の損失と大きな経済的損失を痛感してきました。脊椎疾患も、やはり予防が大切です。事前に病変部が確認でき、必要な処置を施していれば、後遺症がより少なくすむことを痛烈に感じています」と早期発見・早期治療の重要性を強調。

こうした経験と思いが今回の脊椎ドックに結実した。

頚髄損傷のMRI 画像。中央部分を縦に走るのが頚髄で、くびれている箇所が損傷を受けた部位 頚髄損傷のMRI 画像。中央部分を縦に走るのが頚髄で、くびれている箇所が損傷を受けた部位

西部長は変形性頚椎症、頚部脊柱管狭窄症、頚椎椎間板ヘルニアに対する後方からの椎弓(ついきゅう)切除、椎弓形成、後方固定に加え、侵襲の大きな前方アプローチでの固定を回避できる前側方アプローチや神経減圧術など、さまざまな手技を習得してきた。

「こうした多様な低侵襲手術に取り組めるようになったことも、脊椎ドック開始の追い風となりました」と西部長。

病変を発見、診断した場合、地域の基幹病院として、できるだけ自院で治療まで担い、患者さんの健康に貢献できる体制が整っている。

西部長は日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医、日本脊髄外科学会専門医の各種資格をもつ。

「潜在的な頚髄損傷の患者さんを掘り起こし、その他の疾患に関しても診断と治療の関与の程度を判別することが脊髄ドックの大きな目的です」(西部長)

脊椎ドックなどで用いるCT 装置 脊椎ドックなどで用いるCT 装置

脊椎ドックの対象は「軽度の手足のしびれ、痛みがある」、「大黒柱たる脊椎・脊髄の健康状態を詳細に知っておきたい」、「他の医療機関に通院しているが症状が良くならない」、「高齢だから仕方がないと言われた」、「背骨の病気があるが、治療方法の選択に迷っている」、「他院より手術を勧められているが、セカンドオピニオンを求めたい」といった方に推奨している。

これまで実際に脊椎ドックを受けた方々の受診理由としては、①スポーツ時に腰背部痛があり、現在スポーツなどができる状態なのか。今後はどのようにしたらよいのか知りたい、②腰背部痛のため、精査を希望、③両手に軽いしびれがあり、精査を希望――など。

また、両手の軽いしびれを理由に受診した60歳代男性のケースでは、後縦靱帯骨化症と脊柱管狭窄症が見つかるなど、脊椎ドックは異常の早期発見につながっている。

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