徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)11月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1517 2面

第50回体外循環技術医学会
徳洲会から6演題発表
臨床工学技士が知見披露

第50回日本体外循環技術医学会大会が10月12日から2日間、都内で開催され、徳洲会グループから6演題の発表があった。教育委員会セッション、パネルディスカッションが各1演題、一般演題が4演題(口演3演題、ポスター1演題)。

教育委員会セッションで自院の取り組みを説明する長元主任 パネルディスカッションで発表する山内・副技士長 岩本技士長は安全対策委員会セッションと一般演題で座長も担当

教育委員会セッション「体外循環の未来をつなぐ教育~次世代へのアプローチ~」では、大隅鹿屋病院(鹿児島県)の長元優・臨床工学技士(CE)主任が「Z世代?さとり世代?~教育の本質とPerfusionist~」をテーマに発表。同院では、段階的育成をOJT(現任訓練)と評価表で支援している。

Z世代のスタッフは高い意欲で自発的に学んでおり、「ワークライフバランス重視」という一般像とは異なり、キャリア形成に積極的。過酷な勤務には正当な報酬と適切な休暇確保という「働き方改革」の視点も不可欠であるとし、「言葉より行動を見ている」Z世代に対し、教育側は「見せる背中」を示す覚悟が必要であると強調した。

パネルディスカッション「エキスパートが語る体外循環」では、千葉西総合病院の山内尚也・臨床工学科副技士長が「体外循環のエキスパートを目指して」と題し、CEが低侵襲治療と体外循環管理の進化に、どう対応すべきかを提示した。

近年、心臓血管領域ではステントグラフトやMICS(低侵襲心臓手術)といった低侵襲手術が主流となり、体外循環不要の流れが加速しているが、実際にはCEのスキルや経験への依存が大きく、ひとりのスペシャリストだけでは全症例に対応困難であると指摘。徳洲会グループには1,000人以上のCEが在籍しており、研修や出向を活用して「エキスパートでもビギナーでも、同じ質を担保できるプロトコル(実施計画書)の策定」を進めていると明かした。

一般演題では、岸和田徳洲会病院(大阪府)の岩本和也・臨床工学室技士長が「当施設における心室中隔穿孔のMechanical Circulatory Support(MCS)管理の変遷とImpella 導入の意義」をテーマに発表。17例を対象に検討を行い、IABP(大動脈内バルーンパンピング)群に対し、Impella(補助循環用ポンプカテーテル)導入群は改善を見たことを報告。

Impellaは手術までの安定期間を確保できる可能性が高いが、重症例には補助が不十分な場合もあり、MCS(機械的循環補助装置)エスカレーション(変更)や緊急手術の検討も必要であると注意喚起した。また、岩本技士長は安全対策委員会セッション、一般演題で座長も務めた。

名古屋徳洲会総合病院の村上堅太・臨床工学室係長は「急性心筋梗塞後心室中隔穿孔に対する外科手術待機期間の補助循環戦略の検討」がテーマ。29例を3群に分けて比較検討した結果、100日生存率でAxillary access(腋窩アクセス)Impella群が100%を示した。軽症例にはIABPも有効だが、中等度以上ではA-Impellaの早期導入が望ましいと強調した。

仙台徳洲会病院の菊池琉冴・臨床工学技士は「新たな冷温水槽衛生管理システム開発に向けた研究~ECMOを想定した流水型紫外線殺菌装置の実用性について~」と題し発表。ECMO(体外式膜型人工肺)稼働下の冷温水槽での水系感染対策として、流水型UV-C(紫外線C波)殺菌装置の実用性を検証、24時間照射群では30日間ATP(汚染物質)値を25RLU(相対発光量)未満に保ったと成果を報告した。

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