徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

仙台徳洲会病院 院長
井上 尚美(いのうえひさよし)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

井上 尚美(いのうえひさよし)

仙台徳洲会病院 院長

2025年(令和7年)11月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1517

仙台市内で救急応需率1位を目指す
課題を明確化しさらなる改善策検討
客観的評価には数字で成果を示すことが不可欠

2024年6月28~29日に、私が会長を務めた第50回日本骨折治療学会学術集会が、仙台市の仙台国際センターで開催されました。東上震一理事長をはじめ、執行部の皆様のご支援に、心より感謝いたします。本学会は、日本骨折治療学会から日本整形外傷学会(Japanese Orthopaedic Trauma Association:JOTA)へと名称変更を経て、国際化に向けた組織再編が進められています。第50回学術集会は、本学会最後の「日本骨折治療学会」としての開催となり、総参加者数は2,356人、オンデマンド配信を含めると2,450人と、過去最多の参加数となりました。整形外科領域における骨折治療について、多くの会員の知見・経験が共有され、今後の発展に寄与する学術集会になったと自負しています。

徳洲会の理念に基づき原点たる 「断らない救急」を一段と追求

私は医学部卒業後、整形外科研修を経て、2000年から石巻赤十字病院で9年間、整形外科部長として骨折治療に従事しました。その後、東北労災病院で10年間、人工関節センター長を務め、主に四肢人工関節置換術を執刀しました。仙台徳洲会病院入職後は、四肢骨折治療を中心に現在、常勤2人体制で年間600件以上の手術を担当しています。23年1月25日、東上理事長と面談し当院の院長就任を打診されました。しかし第50回日本骨折治療学会の準備中であり、手術執刀医も続けたかったため迷いました。私の知人の整形外科医は、全員が院長就任と同時に執刀から退いており、また私が今まで勤務した病院でも院長は多くて週1回の外来しか臨床に携わっていませんでした。

院長としての役割は、病院全体の運営と管理、医療の質と安全の向上、職員のモチベーション向上などが挙げられます。これらに加えて、私は臨床業務、現場医師としての活動を重視しました。整形外科医として手術や救急対応を継続し、救急での夜間の整形外科入院患者様全例の主治医となり、入院患者様の受け入れを円滑化しました。院長は「管理者」と「現場医師」の両面を持ち、病院の理念実現、医療の質向上、地域貢献、職員育成など多岐にわたる業務を行うべきと考えています。私は、これまで整形外科医として他院からの紹介や救急外傷に対し、断ることなく対応してきました。当院においても「断らない救急」は徳洲会の理念に基づく方針であると認識しています。当院は、大規模病院の中でも救急依頼件数が多いことが特徴です。

私が当院に着任した19年度は、救急応需率が非常に高かったことを記憶しています。しかし、時を経るに連れ、救急依頼を断る件数が増加するようになりました。24年1月から12月までの救急依頼件数は7,822件、そのうち受け入れ件数は5,969件となり、応需率は76.3%でした。

宮城県内の病院の中では上位に位置していますが、さらなる改善を目指し、応需率95%以上を目標に昨年末、取り組みを開始しました。現在、当院では「医師の働き方改革」の一環として、夜間の救急当番を応援医師に依頼しています。そのため、各医師に病院の方針を個々に伝えるとともに、救急依頼を断った理由について、詳細な記載をお願いしています。

その結果、25年1月から10月までの救急依頼件数は6,132件、受け入れ件数は5,550件、応需率は90.5%と改善し、10月の救急依頼件数677件、受け入れ件数653件、応需率96.5%と目標を達成しました。応需率向上のためには、院内体制の強化(救急専従医の確保、トリアージナースの導入、事務スタッフによる受付の効率化など)が必要です。今後は応需率、断り理由、診療科別の応需率などを可視化し、課題を明確にして、さらなる向上を目指し改善策の検討を行い、仙台市内で救急応需率1位を目指します。

常勤医師体制の強化や 専門医の充実も着々と

救急医療の充実にともない、後方支援となる常勤医師体制の強化や専門医の充実も不可欠です。24年10月には循環器内科医が東北大学医局より派遣され2人体制となり、11月には整形外科医が1人入職、26年には消化器内科医2人の入職予定があります。医師以外の職員も日々、各々の役割を果たし、尽力していますが、客観的評価には数字による成果を示すことが必要です。現時点では赤字が続いておりますが、着実に改善結果が表れています。

皆で頑張りましょう。

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