
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)11月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1517 3面
八尾徳洲会総合病院(大阪府)は、医療をテーマとする一般向けイベントを本格的に再開した。従来の医療講演とは別で、いずれも医師が中心となり企画。夏には循環器内科が初の市民公開講座、秋には外科領域の医師らが中心となり「がんフォーラム」を初めて開催した。予防や検査の重要性、疾患に対する一層の理解促進が狙い。
一般の方にポイントをわかりやすく解説する松尾部長
講演後に実技講習を受け、理解を深める参加者
原田院長は“困った時の徳洲会”をアピール
市民公開講座を循環器内科が開くのは初。第1部では、企画した松尾浩志・循環器科部長が「心臓の突然死を防ぐには」と題し講演した。まず、WHO(世界保健機関)が示す突然死の定義を示し、約7割が心臓の病気(心臓突然死)と言われていることを説明。
とくに心筋梗塞は突然死のリスクが高く、治療開始までの時間が短いほど良いこと、心不全は入退院を繰り返しながら階段状に悪化し、退院後も血圧管理の徹底が重要なことなどを強調した。突然死の33%が就寝中に起こっていることから、予防の重要性を訴え、生活習慣(病)の管理・改善、早めの診療を促した。自院で可能な検査や治療も紹介した。
最後に、目の前の人が急性心筋梗塞などで突然倒れた時の対応方法を紹介。「救急隊が到着するまでが大変重要」と、心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)の併用で、救命率や1カ月後の生存率が一層向上することを説明した。
第2部では、外部講師として八尾はぁとふる病院の石井英・診療部副部長(循環器内科医師)が、心臓リハビリテーションをテーマに講演。第3部では、八尾徳洲会病院の藤原麻友美クリティカルケア認定看護師が、救命処置とAEDの使い方について説明した。この後、会場後方で藤原看護師ら同院スタッフが心臓マッサージやAEDの実技講習を行った。
松尾部長は、企画の意図を「当院に運ばれてきた時には手の打ちようがないケースが少なくありません。地域にご高齢の方が多いなど、いろいろな原因はあると思いますが、もっと啓発する必要性を感じました」と説明。「一緒に住んでいるご高齢の方などが命をつなぎ、ひとりでも多くの方を救うことにつながれば」と期待を寄せ、来年も行う意向を示した。同イベントは、日本心臓財団が提唱する“健康ハートの日(8月10日)”にちなみ、8月9日に院内で開催。
一方、がんフォーラムは地元の八尾市文化会館で10月11日に開催。コロナ禍前に毎年行っていた拡大医療講演から形を変更し、今回は、がんをテーマとした。
はじめに原田博雅院長が挨拶し、自院の現状を紹介。年間1万台以上の救急車を受け入れていることなどを挙げ、成長をアピールした。年間手術件数も増えるなど、自院の活動が外科を中心に活発化している様子にも言及。「その中心にいるのが、本日のフォーラムを企画した木村拓也副院長です。“徳洲会のキムタク”こと木村先生の名前をぜひ覚えてください」と呼びかけた。大阪府がん診療拠点病院に指定され、がんの症例が増えていることを強調し、「安心して治療が受けられる環境を、今後も整えたいと思っています」と締めくくった。
第1部は、市橋良夫・呼吸器外科部長が「最新の肺癌治療について」、金谷誠一郎・食道・胃外科顧問が「胃がん・食道がんに対するロボット手術」、遠藤幸丈 ・外科部長が「大腸がん、正しく知ればこわくない」、藤井貴子・肝臓センター部長が「肝がん~特徴・検査から治療まで~」と題し講演。
それぞれのがんに関する統計(性別や年齢による罹患率や5年後生存率など)や症状、検査・治療方法、予防などを解説した。また、唯一、看護師として今西真奈美・緩和ケア認定看護師が登壇。がん患者さんや家族を支える緩和ケア認定看護師の役割を、具体的なエピソードを交えながら説明した。
第2部では、「癌という余命を見つめて~嫁の乳がんとの戦い 一緒に生きた4年間~」と題し、歌手の円広志さんが特別講演を行った。
この日は連休初日にもかかわらず、505人が来場。木村副院長は「徳洲会が、がんにも一生懸命取り組んでいることを周知できたと思います」と話し、今後も開催する意欲を見せた。