徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)6月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1290 三面

徳洲会看護部門
訪問看護初任者研修を創設
5月18日に開講し25人参加

徳洲会グループ看護部門は今年度から新たに訪問看護初任者研修を開始した。訪問看護の経験が3年未満を対象とする教育プログラムで、半年にわたり全7回の講義と1日の実習を行う。以前から訪問看護ステーション(訪看ST)管理者研修は実施しており、教育体系を充実させ訪問看護の質向上を図るのが狙い。今年度は22の訪看STから25人が参加。5月18日に開講し、初回はオンラインで訪問看護の制度、事例を通じ訪問看護の対象者について学んだ。

全国から22の訪看STが参加

徳洲会グループは2018年秋から19年夏にかけ15の訪看STを開設するなど、訪問看護の拡大に取り組んでいる。その半面、ST間で訪問看護の経験に差が見られるなど、質の担保が課題となっていた。看護部門は、すでに訪看STの管理者研修は行っていたため、訪問看護に関する教育を体系化した初任者研修を創設した。

初任者研修は半年コースで、7回の講義と1日の実習を行うプログラム。講義は制度や家族支援、接遇など基礎知識編、排泄(はいせつ)ケアや薬剤管理など技術編、がんや認知症、小児など疾患編と多岐にわたり、実習は同行訪問し実際に体験して基礎技術を身に付ける。最後にレポートを提出し、合格すれば看護部門から修了証を交付。

グループ初の初任者研修は5月18日に開講。北海道から沖縄県まで22の訪看STから25人が参加した。当日は、講義に先立ち茅ヶ崎駅前訪看ST(神奈川県)の鈴木恵子所長が挨拶。「研修が多くの学びとなり、皆様が組織の一員として活躍されること、思い描く理想の看護が実践できるようになることを願っています」と激励した。

一般社団法人徳洲会の遊佐千鶴・常務理事と佐々木和子・看護部門部長もメッセージを送った。遊佐・常務理事は在宅療養者の急増・重度化・多様化・複雑化により、訪問看護に対する期待が大きいなか、「徳洲会の理念の実践が重要な課題」と指摘。研修をとおして「いつでも、どこでも、安心して暮らすことができ、安心して頼れる訪問看護師を育成したい」と明かした。

佐々木部長は研修内容が都道府県や看護協会などの新卒・新人訪問看護師育成プログラムなどと同等に充実している点をアピール。看護部門の今年度の目標が「自立」であることにも触れ、「訪問看護は病院内の看護のように、その場に相談できるスタッフがいるわけではなく、相手に合わせ自分の力で判断・行動しなければなりません。自立を含め徳洲会の訪問看護の基礎力を身に付けてください」と呼びかけた。

講義では、まず鈴木所長が訪問看護の制度とサービスの仕組み、社会資源の活用などを解説。日本の人口構成の特徴など社会情勢を説明し、そのうえで訪問看護の役割を説明。報酬体系や介護保険と医療保険での特徴なども示し、「生命を安心して預けられる訪看ST、健康と生活を守る訪看STを意識することが重要です」と締めくくった。

続いて、訪看STわかば(静岡県)の大井陽江所長が「対象者(患者さんや家族)の理解」をテーマに講義。これまで経験した事例を通じて、相手が求めていることを理解する重要性、それに応えるために退院支援や多職種との連携、看取りの大切さなどを解説した。

具体的なエピソードを披露しながら、患者さんや家族の望みをかなえたり課題をクリアしたりするには、にさまざまな方法があるとし、「在宅に制限はありません。(訪問看護の)可能性は無限です」と強調した。今年度の初任者研修は11月までを予定。

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