徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2021年(令和3年)6月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1290 二面
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主に長期間の喫煙習慣が原因で発症する疾患で、日本では約530万人の患者さんがいると言われている(独立行政法人環境再生保全機構)。COPDの発症は喫煙本数と期間に依存するが、ゆっくりと進行し症状が現れるまで20年、30年かかるため、息切れやせき、痰などの症状が現れても、初めは年齢のせいと見過ごされがち。2019年の男性の死因第8位はCOPDであり、進行し重症化すると生命にかかわる疾患だ。
タバコの煙により気管支に炎症が起き、肺胞が破壊され、呼吸がしにくくなる。破壊された肺は元に戻ることはなく、「まずは少しでも早めに禁煙し、進行を抑制することが大切です」と長崎北徳洲会病院の池田喬哉・呼吸器内科部長。根本的な治療法はなく、禁煙や薬物療法、運動療法、酸素療法で症状を和らげたり、進行を抑制したりすることが治療の目的となる。
早期に発見し治療すればQOL(生活の質)を保ちながら疾患と付き合っていくことも可能だ。新型コロナウイルス感染症の増悪因子のひとつでもあるため、「喫煙習慣がある方、過去に喫煙経験のある方は健康診断などで呼吸機能検査を受け、COPDになっていないかチェックしてみてください」(池田部長)。