徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)4月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1284 二面

病気のはなし㊼
転用・新規開発とも活発 新型コロナ感染症治療薬

既存薬で承認済み(予定)の新型コロナ感染症治療薬

新型コロナワクチンとともに期待を集めている治療薬。4月21日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、関節リウマチなどの薬である「バリシチニブ(商品名オルミエント)」を新型コロナ感染症の治療薬として了承した。

承認はエボラ出血熱の薬「レムデシビル(同ベクルリー)」、難治性口内炎などの薬「デキサメタゾン(同デカドロン)」に続いて3番目。中等症から重症の患者さんにレムデシビルと併用して使用する。治験の症例数は多くなかったものの、レムデシビル単独投与より回復期間が1日、重症例では8日間短くなったという報告もあり、病床逼迫(ひっぱく)の解消に期待されている。

ほかにも関節リウマチの薬「トシリズマブ(同アクテムラ)」が治験を終え解析中、新型インフルエンザの薬「ファビピラビル(同アビガン)」は追加の国内治験を20日に開始するなど、既存薬の転用に向けた動きが活発だ。

さらに、コロナ独自の治療薬の開発も進行中。今月中に最終段階の第3相臨床試験を開始する米メルク社のMK-4482は、軽症から中等症が対象の経口薬で、第2相臨床試験では投与5日目のウイルス量が0%だった。濃厚接触者への予防投与の効果も今後、検証予定で、成功すれば現状を打破する大きな一手となる可能性もある。

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