徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)2月1日 月曜日 徳洲新聞 NO.1272 三面

徳洲会医療安全管理部会
スキルアップ研修会開催
〝事故事例〟から学ぶ

徳洲会医療安全管理部会は、全国グループ病院の医療安全管理者を対象にスキルアップ研修会をオンラインで開催した。昨年11月14日に東日本ブロックから25病院、12月5日に西日本ブロックから30病院と東日本ブロックから3病院が参加。事故分析をテーマにしたグループワークなどを通じ、医療安全に対する理解を深めた。

全体に最適な再発防止策提案

「個人への責任追及を排除し現実的な対策を」と大坪部会長「個人への責任追及を排除し現実的な対策を」と大坪部会長

取材した12月5日の研修会では冒頭、大坪まゆ美部会長(成田富里徳洲会病院副看護部長兼医療安全管理室室長)が「徳洲会グループとしての強みを生かした医療安全活動の推進」をテーマに講義した。

まずネバーイベント(決して起こしてはならない事象)プロジェクトやグループの医療安全活動などについて報告。医療事故の考え方は、責任追及型から問題解決型に変わってきていることを強調した。

さらにインシデント(事故になる一歩手前の事例)・アクシデントレポートに言及した後、事故分析の効果として「安全な医療を提供するためには、インシデント・アクシデントレポートを収集し、背景要因を分析することにより、思い込みや個人への責任追及を排除、現実的な対策を立案し、再発防止につなげることができます」とまとめた。

グループワークでは、ヒューマンエラーの分析手法であるP-mSHELLを用い事故分析を実施。転倒転落、異物遺残、異形輸血の事例をもとに、7グループに分かれ話し合った。その際、P(患者さん)、M(管理者)、S(ソフトウェア)、H(ハードウェア)、E(作業環境)、L(インシデントに関与した本人)、L(当事者以外のチーム、同僚)の分析結果を演習シートに書き出した後、改善策まで導き出した。

再度、参加者全員が集まり、グループごとに演習シートを画面共有しながら発表、各グループのファシリテーター(会議の進行を促す役割)がフィードバックした。

コロナ時代の研修 見てわかる映像を

総評として大坪部会長は「このグループワークは、いわゆる聞き取り調査の段階。今後さらに分析を深め、より現実感のある対策を見つけなければなりません。各部署への対策の見直し、経営陣への提案などもタイミング良く実施することが大切です」とアドバイス。

最後に、同部会の今後の課題と提案として①ポジティブアプローチ(〝何ができなかった〟ではなく〝なぜ防げたのか〟にシフト)、②コロナ時代の教育・研修(読むマニュアルではなく、見てわかる映像など)、③ビックデータの活用(事故分析の自動化、迅速な業務改善)――を挙げた。

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