徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)11月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1263 三面

湘南鎌倉病院
改善活動成果を共有 第9回「QI大会」開く

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は10月16日、医療安全や医療の質向上などを目的とした取り組み成果を発表するQI(Quality Improvement=品質改善)大会を開催した。今年で9回目を数える。同院各部門から計17演題の発表があった。延べ156人の職員のほか、WEB会議システム「Zoom」を通じ徳洲会グループの複数病院から約60人が視聴。改善活動の成果や知見を共有した。

Zoomで他院職員も視聴

最優秀QI賞を受賞した西村副室長最優秀QI賞を受賞した西村副室長

冒頭、今年から湘南鎌倉病院QIセンター長を務める大竹剛靖副院長は「QI大会を重ねるたびに、質向上の文化が根付いてきたのを感じます。発表を楽しみにしています」と開会挨拶。聴講者と座長、役員の投票をもとに最優秀QI賞、優秀QI賞、QI奨励賞を選出。これらを受賞した3演題の概要を紹介する。

最優秀QI賞は、リハビリテーション科の西村彰紀副室長(作業療法士)が発表した「時間外労働の低減~Withコロナの働き方改革」。

「急性期リハビリの提供体制は変更しない」という方針の下、同科では具体的な新型コロナウイルス対策として、①3密回避のため時差出勤(早出チーム、遅出チーム)の導入、②会議などの見直しによる業務のスリム化(リハビリ科の全スタッフが参加する朝礼・終礼は廃止。情報周知はコミュニケーション用ITツールを活用)――を実践した。その結果、業務量は維持しながらも、職場環境の密の改善や勤務時間の短縮につながった。

西村副室長は「実際に時差出勤に取り組んでみると、診療面での問題はなく、さらにパソコンなどの有効利用や勤務時間などの改善を図ることができました」とまとめた。

日頃の改善活動の成果や知見を共有日頃の改善活動の成果や知見を共有

優秀QI賞は血液浄化部の山下昭二・看護師長が発表した「透析中の除水量変更に関するインシデントの低減化」。透析患者さんは体内の水分が過剰になると、心不全を起こしやすくなることから適切な除水が欠かせない。そこで除水量変更に関する設定間違いの防止策として①代表者の設置によるスタッフ2人でのペアチェック、②除水変更に関するカルテ記録に定型文を導入――を実施。その結果、インシデント(ヒヤリ・ハット)の発生率が大幅に減少した。

QI奨励賞は7階病棟の島根容子・副看護部長が発表した「7階病棟におけるクリニカルパス使用率向上の取り組み―超過勤務時間、看護必要度との関係―」。超過勤務の理由の80%を看護記録が占める同院7階病棟では、クリニカルパス(治療計画書)の使用率が低かった。パス使用率を上げれば超過勤務が減少するとの仮説の下、パスの使用を推進。その結果、使用率は上昇し超過勤務時間には減少傾向が見られた。

徳洲会では毎年、グループ全体のQI大会を開催。今年度はコロナ禍の影響によりオンライン形式で実施する計画だ。事前収録した発表動画を各病院・施設から視聴する。時期は来年3月頃の予定。

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