徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)2月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1221 三面

必要な知識・技術体得
徳洲会臨床研修 指導者養成講習会
制度改正を見据え

一般社団法人徳洲会は福岡徳洲会病院で第25回徳洲会グループ臨床研修指導者養成講習会(厚生労働省「医師の臨床研修に係る指導医講習会の開催指針」に準拠)を開催した。臨床現場で研修医の教育にあたる指導者の指導能力向上が目的。全国の徳洲会グループ病院から32人の医師が参加し、講義やグループワークを通じ臨床研修制度、臨床研修プログラムの運用、医療安全・労務管理、コーチングなど多岐にわたるテーマで知識・スキルを学んだ。

講義する田村副院長 講義する田村副院長

今回は、2020年度からの初期臨床研修制度の大規模改正を見据え、プログラムを構成。講習会を通じ制度改正のポイント、求められるスキル(①臨床研修プログラムのリフォームと効果的な運用、②研修医への支援と環境整備、③臨床研修を行う場面での効果的な指導スキル、④研修医の評価、⑤“現場で実践する専門家”としての研修医の育成、⑥コーチング)の習得を目的とした。

ディレクターは大隅鹿屋病院(鹿児島県)の田村幸大・副院長兼内科部長(徳洲会グループ研修委員会委員長)。講師は徳洲会グループ内外の医師が務め、徳洲会グループでは田村副院長、八尾徳洲会総合病院(大阪府)の髙原良典・総合内科医長(徳洲会グループ研修委員会副委員長)、和泉市立総合医療センター(同)の梶川竜治・麻酔科部長、大隅鹿屋病院の有留大海・内科部長、宇治徳洲会病院(京都府)の自閑昌彦・心臓血管内科医師が登壇。

初日の12月21日はワークショップ「指導医として必要な資質・能力とは?」をテーマにスタート。小グループで思考をまとめるKJ法の説明を受けた後、あらかじめグループ化された参加者は“へき地や離島で活躍する、理想的な医師特有の適性や能力、行動”をテーマに議論。

KJ法を用いてまとめたアイデアをグループごとに発表した。この後、臨床研修制度改正ポイントと臨床研修プログラム作成のベースとなる“アウトカム(到達目標)基盤型教育”をテーマに講義した。

また「臨床研修プログラムのリフォームと効果的な運用」として、研修の目標設定や適正な評価法など「各臨床場面での指導法」として、①必修化される一般外来研修を有効にするための“外来での1分間プリセプティング”、②臨床推論を引き出すプレゼンテーション指導、③“現場で実践する専門家”として研修医の主体的な成長を促すSEA(意義深いと感じたあらゆる出来事の分析)―などに関する講義やロールプレイ、グループワークを実施した。

初日の最後には医療安全と労務管理をテーマに講義。医療事故に対する考え方の変化や、ケアレスミスが生じる研修医特有のリスク、指導医が知っておくべき労働基準法、働き方改革などについて解説した。

2日目はコーチングをテーマとする講義で始まり、コーチングの考え方やスキル、コーチングを活用したコミュニケーション技術を解説。相手のキャラクターを考え、適したアプローチを示したりした。前日に続き「臨床研修プログラムのリフォームと効果的な運用」として、フィードバックの技法などをテーマにグループワークやロールプレイを行った。

最後に2日間を通じ明らかになった臨床研修現場での改善点についてグループ討議を行い終了。参加者に修了証が贈られた。

グループワークで意見を交わす参加者 グループワークで意見を交わす参加者

参加した岸和田徳洲会病院(大阪府)の山根木美香・救命救急センター医師は「濃密な2日間でした。とくに印象的だったのはコーチングで教わったキャラクター分析。思い当たる節がありました。学んだことを生かしたいです」と笑顔。湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の福武滋・脳神経内科医師は「KJ法など今回経験した方法を自院でも活用してみたい」と感想を語っていた。

田村副院長は「初期臨床研修制度の改正にともない、指導医のかかわり方も変わることを伝えたかった。参加者のアンケートでも『教わった技法を取り入れてみたい』という声が多かったので良かったです」と満足げ。「今後も、できるだけ現場で使いやすいように講習会の内容を工夫していきたいです」と意欲を見せた。

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