徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)2月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1221 三面

和泉医療センター マレーシアから薬剤師
経産省の国際化事業を利用

和泉市立総合医療センター(大阪府)は昨年10月10日から75日間、マレーシアからの薬剤師を受け入れた。経済産業省の「国際化促進インターンシップ事業」を利用したもので、外国人患者さんの受け入れ体制整備、外国人材の勤務環境整備、将来的な同院の人材不足解消などが目的。

互いの国の保険制度や処方の仕方など違いを学び合う 互いの国の保険制度や処方の仕方など違いを学び合う

同センターに訪れたのはプーン・スーク・フン薬剤師。10年以上のキャリアをもつベテランで、中国語に加え英語、マレー語、若干の日本語が話せる。研修期間中は、徳洲会グループがん化学療法統一レジメンの患者用説明書を英語と中国語に、同院の看護補助者の作業マニュアルを英語に翻訳した。

また、各種会議や院内のあらゆる部署にも積極的に顔を出し、意見交換。「英語にアクセスできるということは最新の知見に触れる機会が多いということ。彼女の意見は、とても参考になりました」と、プーンさんの通訳を担当した氏川郁穂薬剤師は笑顔で意義を強調。

同事業はインターンに必要な費用を経産省が一部負担するが、審査が必要だ。同院は関西国際空港に近いことから将来的に外国人患者さんが増える可能性があることと、看護補助者の不足を解消するため外国人材の登用を検討していることから今回、応募した。

「将来的に病院の国際化は必須だと思います。そのためには、まず外国の方が安心して働ける環境が必要です」と申請に携わった大西拓也・総務課主任。外国人材と病院がともに有益だと感じられるウィンウィンの勤務体制づくりを目指す。

実際に、ともに働いてみることで得た気付きも多く、「職員が外国人のいる環境に慣れてきたことが大きい」と櫛引健一事務長。今後はプーンさんを橋渡し役に、まずマレーシアとの交流深化を検討する方針。

左から渡邊玲子・総務課副主任、氏川薬剤師、プーン薬剤師、櫛引事務長、大西主任 左から渡邊玲子・総務課副主任、氏川薬剤師、プーン薬剤師、櫛引事務長、大西主任

プーンさんも「日本とマレーシアとでは働き方が大きく異なり、とてもエキサイティングな研修でした。またぜひ日本で働きたい」と意欲的だ。マレーシアでは日本と同様、5S活動(整理整頓を軸に業務改善する手法)が浸透していることもあり、日本での業務になじみやすい反面、同国では部署間の横のつながりが薄く、また分包システムなど自動化されていない部分も多いことから、プーンさんは日本での経験を今後の自国でのシステム改善にも生かしていきたい考え。

同院では今後も同制度または特定技能制度など利用し、積極的に外国人材登用に向けた動きを活発化していく。

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