2019年(令和元年)8月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1197 三面
MRgFUS
北京で招聘講演
山本・湘南鎌倉病院医長
講演後に感謝状を座長から受け取る山本医長(左)
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の山本一徹・脳神経外科医長は、中国の北京医院が開催したMRI(磁気共鳴画像診断装置)に関するセミナーで、MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)をテーマに招聘(しょうへい)講演を行った。
同セミナーは特定の臓器にとらわれず、画像ガイド下に行う治療全般について医師同士で発表し合い、知見を深めるのが目的。中国では目下、経頭蓋集束超音波治療の認可申請中であり、同治療装置の導入に先立ち、知識共有のために山本医長が招聘を受けた。セミナーには50人以上の医療者が参加した。
MRgFUSは皮膚切開を行わずに、本態性振戦やパーキンソン病、ジストニアといった運動性疾患の治療が可能。同治療の特徴として、多数の超音波を一点に集束させ脳の患部を熱凝固することで、治療中に症状の改善を確認することができ、感染症や創癒合不全、異物留置に付随するトラブルなどリスクをともなわないことが挙げられる。
講演では脳神経外科、とくに機能神経外科領域で有望な新興治療であるMRgFUSの基礎や最近の試み、今後の展望など、治療経験を交えながら説明した。
同治療は湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)で6月に保険診療を開始。山本医長も術者のひとりとして治療に参加している。山本医長は「患者さんが保険適用を受けながら、安心して治療に臨めるようになったことは、とても革新的な出来事だと思います」と話している。