徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)6月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1190 三面

葉山ハートセンター
行政とケアマネ強化
心不全をテーマに勉強会

葉山ハートセンター(神奈川県)は行政と協同し、在宅療養に必要なサービスの一端を担う地域のケアマネジャー(ケアマネ)の強化に着手した。その一環として5月31日、院内講堂で心不全をテーマに勉強会を開催、地域のケアマネや同院の看護師など70人以上が参加し研鑽(けんさん)した。

右から長嶋・看護部長、坂口課長、古賀管理者 右から長嶋・看護部長、坂口課長、古賀管理者

できる限り住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できる社会を目指すという国の方針の下、在宅医療・介護が推進されている。葉山ハートセンターも多職種による退院前カンファレンス(検討会)を実施し、早期退院から在宅療養にスムーズに移行できるよう注力。

こうした取り組みに行政が関心を示し、昨年から葉山町福祉部福祉課の坂口薫課長らが同院の退院前カンファレンスに参加。そこで、長嶋亮子・看護部長と在宅医療・介護での地域のケアマネの重要性を共有、課題としてケアマネの知識向上を掲げ、今年4月から合同で取り組むことになった。

長嶋・看護部長は「私たちがケアマネから学ぶこともあります。また、病院の看護師と地域のケアマネが同じ知識を共有することで病院から在宅に、よりスムーズに患者さんを移行できるようになります。地域との連携を強化する意味でも、病院として今回の試みは必要だと考えました」と意図を明かす。

多職種が参加する退院前カンファレンスの様子 多職種が参加する退院前カンファレンスの様子

同院と連携し在宅療養に取り組む湘南葉山デイケアクリニック(神奈川県)居宅介護支援事業所の古賀奈津子管理者は「カンファレンスに参加しても病状を理解できないケアマネがいるなど、知識に差があることは感じていました。医師や看護師が提案する内容を理解できないと、在宅療養のマネジメントはできません。また、患者さんの状態を見た時に、次にどんなことが起きるか予測できないと、患者さんの不利益につながる可能性もあります」とケアマネ育成の必要性を説く。

第1弾として5月31日、北里大学看護学部看護システム学の眞茅みゆき教授を招き、「地域の心不全患者を多職種で支える」をテーマに勉強会を開催した。病院の看護師が退院後の患者さんの生活を知らないことなど指摘し、多職種によるチームアプローチの重要性を強調。緩和ケアにも言及し、患者さんや家族に話しを切り出すタイミングの難しさ、遺族ケアがほとんど行われていない現状などが話題に上った。

心不全医療では、これまで「客観的アウトカム(結果)」を重視していたのに対し、今後はQOL(生活の質)や心理的状態など「患者報告アウトカム」が大切になると説明。これを効果的な臨床実践に活用することが必要であるとした。

眞茅教授を招き、心不全をテーマに勉強会 眞茅教授を招き、心不全をテーマに勉強会

さらに、患者さんの包括的管理のための課題として、患者さんの疾患や自己管理に関する考え・信念を尊重する姿勢をもつ大切さをアピール。最後に「地域の特性を生かした連携の形をつくることが大切。葉山町のスタイルもあるはずです」と提案した。

勉強会の総括として、同院の田中江里院長が挨拶。「地域全体で患者さんをフォローするにあたり、こうした勉強会で知識の共有を図ることは重要です。在宅患者さんに触れる機会が多いのは、訪問看護師やケアマネ、行政の方々ですので、それぞれのレベルアップに協力していければと思います。また当院では在宅患者さんが重症化しないよう、短期入院を積極的に受け入れるための体制整備を進めています」と意欲的だ。

今後は誤嚥(ごえん)性肺炎や尿路感染症などをテーマに取り上げたり、ホームヘルパーや理学療法士を対象にしたりと、在宅療養にかかわる現場のニーズをもとにさまざまな勉強会を実施していく考え。年度末には「がん終末期症例発表会」も予定。

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