2019年(平成31年)3月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1175 四面
読み解く・読み得“紙上医療講演” 22
管理栄養士の資格とは?
医療や介護の現場では多様な有資格者が働いています。それぞれ資格の名称などから何となく仕事内容はイメージできるものの、その資格について深く知る機会はあまりありません。今回はチーム医療・介護の一翼を担う数ある専門職のなかから、食のスペシャリストとして知られる「管理栄養士」について、山川病院(鹿児島県)の村山明日香・栄養室副主任(管理栄養士)が解説します。
村山明日香 山川病院 栄養室副主任(管理栄養士)
管理栄養士は国家資格のひとつで、栄養成分や代謝のメカニズムなど培った知識を生かし食事と栄養の側面から健康をサポートする専門職です。あまり知られていないことですが、じつは日本は世界のなかでも栄養に関する取り組みが早い国でもあります。今から約100年前、佐伯矩(ただす)という医師が栄養の重要性に着目し、栄養を学問として確立させていきました。1924年には、私立研究所の跡地に世界初の栄養士養成学校(現・佐伯栄養専門学校・東京都)を設立。海外にも精力的に栄養の大切さを発信し、今日では“栄養学の父”と言われています。ちなみに、かつては「営養」と表記していましたが、現在の「栄養」に統一するよう国に求めたのが佐伯医師と言われています。
佐伯医師の顕彰碑が建立されている榮養寺(写真提供:榮養寺)
こうした功績をたたえ、幼少期を過ごした愛媛県伊予市にある「榮養寺」には佐伯医師の顕彰碑が建立されています。
栄養の専門職が本格的に社会で活躍するようになったのは第二次世界大戦後。48年に栄養士法の施行とともに医療法の制定で、病院食と病院栄養士が法的に位置付けられました。その後、病院食の質の改善が進められるなか、62年の改正栄養士法で、より専門的な資格として管理栄養士が設けられました。
患者さん一人ひとりに対応する村山副主任
どちらも国家資格ですが、栄養士は所定の学校を卒業し都道府県知事の免許を受ければ良いのに対し、管理栄養士は学校卒業後、国家試験に合格し厚生労働相の免許を受けなければなりません。受験資格となる実務経験の有無も学校によって異なります(図)。合格率は管理栄養士養成課程の新卒で9割超、栄養士養成課程を含めた既卒では約2割。働きながらの取得はハードルが高い資格となっています。毎年、約1万2000人の管理栄養士が誕生し、医療機関や介護施設をはじめ一般企業、学校、行政、研究機関など多様なフィールドで活躍しています。
医療機関では主に給食管理と栄養指導・管理を行います。かつて管理栄養士は集団給食管理が業務のメインで栄養士との位置付けが不明瞭でした。最近は、食生活が多様化するなかで、より高い専門知識を生かし予防を含めた個別の給食・栄養管理が求められています。またチームでのアプローチも不可欠なため、調理師をはじめ、さまざまな職種と連携するコミュニケーション力も重要になります。
食は患者さんの楽しみでもあり「人を良くする」もの。個別対応は大変ですが、とてもやりがいのある仕事です。