鑓水部会長や部会の各ブロック長がコンテストの意義を説明

コンテストは沖縄ブロックを皮切りに、関西大阪、北海道、離島、東北、北関東、南関東、九州ブロックの順で開催。今までにも料理コンテストは行っていたが、グループ全体で行ったのは初めて。

今回、病院部門と介護部門に分け、ふだん患者さんや利用者さんに提供している一般食（常食）メニュー（朝食・昼食・夕食のいずれか）から選び、実際に会場で調理し競い合った。

開催に当たり共通のルールを設定。具体的には①定められた１日あたりの摂取エネルギーに基づいた１食分、②食器はふだん使用しているものを使用。ただし別途、調理師目線で食器など工夫したものも用意、③作業時間は30分（盛り付けは別）、④出場人数は調理師１人と補助者1人まで、⑤調理する各メニューのレシピ、栄養価、原価を所定の様式にまとめ期限までに提出――など。

ほかにも副菜の下処理の範囲や調味料の考え方、当日の事務局による健康チェック、事前に各施設で実施した検便結果の提出など体調や衛生面にも配慮した。

審査については①盛り付け、②色彩、③食欲をそそる工夫、④食事バランス、⑤量、⑥味付け――の各項目を１～５点で採点。点数が高いほうが良い評価となる。料理の横には算用数字もしくはアルファベットが書かれた札を置き、施設名は明かさないようにした。会場や審査員の選定、進行などについては各ブロックの事務局が決定。その結果、会場が病院や地域の公民館、審査員が病院職員や一般の方など多種多様で、各ブロックの意欲や工夫が垣間見られた。

どの調理師も集中し厨房内に緊張が走る

優勝は表のとおり。どのブロックでも結果が発表されると歓声が湧き、なかには優勝のコメントを求められた調理師が感極まる場面もあった。審査後、参加した調理師は各料理を試食し、レシピを写真に収めたり他施設の調理師などに味付けや食材の工夫を聞いたりしていた。終了後、参加者からは「ほかの施設の食事を見る機会がないので、とても勉強になった」、「刺激を受けた。もっと美味しい食事を提供したいと思った」といった声が聞かれた。

一般社団法人徳洲会の鑓水弘樹・栄養部会長は「今回やむを得ない事情で参加できなかった施設は、ぜひ次回参加していただきたい」と、今後も開催する意向を示唆。将来的に各ブロック大会を予選とし全国大会を開く構想だ。