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2019年(平成31年)2月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1173 四面

血液内科
全国レベル治療提供
和泉医療センター
4月に専攻医1人増員へ

「質の高い医療を提供したい」と浦瀬副院長(左) 「質の高い医療を提供したい」と浦瀬副院長(左)

和泉市立総合医療センター(大阪府)は昨年4月の新築移転にともない血液内科を開設、診療に力を入れている。悪性リンパ腫や急性・慢性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などに対する抗がん剤や分子標的薬、造血幹細胞移植による治療を行うなど、血液疾患全般が対象。近隣医療機関からの紹介などにより、外来・入院ともに患者さんは増加傾向だ。

浦瀬文明・副院長兼同科部長(近畿大学医学部地域医療連携学総合講座教授)は「診療ガイドラインに沿い、エビデンス(科学的根拠)に基づいた質の高い全国レベルの治療を提供していきたいと考えています」と意気込みを見せる。同科の常勤医は和田裕介医長、波江野高大医師を合わせた3人体制。日本血液学会認定研修施設となっており、4月から専攻医が1人加わる予定だ。

同センターは計307床を有し、そのうち同科は20床を運用。うち3室はクリーンルーム(無菌室)。これは、高性能なフィルターを用いてつねに清浄な空気を循環させている部屋をいう。疾患によっては治療にともない極度に白血球が低下し、患者さんが感染しやすい状態となることから、専門的な血液内科診療に欠かせない設備だ。

一般的な抗がん剤による治療などで改善が難しいケースでは、造血幹細胞移植を行うことがある。同院はすでに昨年2例の同種造血幹細胞移植を実施。今後、さらに実績を積んだうえで、日本造血細胞移植学会が認定する非血縁者間造血幹細胞移植の登録医療機関を目指している。登録医療機関になると、日本骨髄バンクや、さい帯バンクを介した非血縁者間造血幹細胞移植を施行できる。

また同科では、日本透析医学会専門医の資格ももつ和田医長を中心に、昨年5月に透析治療を新規スタート。「多発性骨髄腫を発症すると腎機能の低下から透析治療が必要となるケースがあります。他のいくつかの血液疾患でも同様の併発症が予想されるため取り組みを開始しました」と浦瀬副院長は話す。維持透析患者さんに対する透析治療も同科が担当している。

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