2019年(平成31年)2月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1170 一面
岸和田病院と福岡病院
新たに「JCI認証」を取得
徳洲会グループ計8施設に
岸和田徳洲会病院(大阪府)と福岡徳洲会病院は、米国発の国際的な医療施設機能評価機構であるJCI(Joint commission international)の認証を取得した。これにより徳洲会グループの同認証取得施設は8病院となった。また、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、札幌東徳洲会病院、南部徳洲会病院(沖縄県)が認証を更新。
医療の質向上・安全性を強化
JCI認証書が届き笑顔の岸和田病院スタッフ
JCI認証は、医療の質やマネジメントの質を継続的に改善する仕組みをもつ医療施設の拡大を目的に、JCIが実施している第三者評価。審査項目は14分野(大学病院は16分野)、約1200にも及び “世界で最も厳しい医療施設機能評価”と言われている。認証期間は3年間。1月現在、日本では28の施設が同認証を取得。
徳洲会グループは、認証取得までのプロセスやJCIの要求事項を満たすための過程を通じ、提供している医療の質の向上、安全性の強化を目的に同認証取得に着手。2017年までに6施設が取得し、18年12月15日に岸和田病院が泉州地域で初めて、同22日に福岡病院が福岡県で初めて認証を取得した。
福岡病院は「認証を通じ院内の改善活動を整理できた」とアピール
岸和田病院は18年1月に審査項目の分野ごとに組織化を図り、2月から取得に向けた活動を本格化。プロジェクトリーダーの森岡信行副院長、事務局の佐藤一哉・国際医療支援室係長と寺井さゆり職員をはじめ、約100人の職員をコアメンバーとし、業務改善やデータ抽出などを行った。
福岡病院は17年7月に活動を開始。QI(品質管理)センターを立ち上げ、センター長の乘富智明・副院長兼外科部長を筆頭に、専従の事務職員として西平健太係長と土屋翔係長、各部門のメンバー計7人を配置した。各部署の主要なスタッフを交え、100人規模のミーティングを月1回開き研鑽(けんさん)を積んだ。
JCI認証取得済みの徳洲会グループ病院
病院名 |
所在地 |
初取得年月 |
湘南鎌倉総合病院 |
神奈川県 |
2012年 10月 |
葉山ハートセンター |
神奈川県 |
2014年 3月 |
札幌東徳洲会病院 |
北海道 |
2015年 12月 |
南部徳洲会病院 |
沖縄県 |
2015年 12月 |
湘南藤沢徳洲会病院 |
神奈川県 |
2016年 8月 |
中部徳洲会病院 |
沖縄県 |
2017年 2月 |
岸和田徳洲会病院 |
大阪府 |
2018年 12月 |
福岡徳洲会病院 |
福岡県 |
2018年 12月 |
両院とも「施設管理」(化学療法室の薬剤混注エリアの陰圧対応、非常用電源設備の負荷点検、院内のセキュリティー対策、機器・設備の保全管理など)、「感染管理」(必要な清潔・不潔物品、職員の導線確保のための改修工事など)をはじめ、審査員からは多岐にわたる指摘を受けたものの、両院とも12月の本審査をクリア。短期間で認証を取得できた要因として、両院は「職員が一丸となって取り組んだこと」と、「認証取得病院を複数もつ徳洲会グループの力」を挙げる。「これまで培ったノウハウをもとに、一般社団法人徳洲会JCI担当責任者の海老澤健太・課長補佐や湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の大橋恵JCI事務局主任、湘南鎌倉病院の石田亜紗子JCI事務局副主任など、さまざまなグループ職員が随時サポートしてくださったおかげです」(佐藤係長)。
岸和田病院で医療安全と品質改善部門のリーダーを務める出田淳副院長は今後、「職員一人ひとりがJCIに対する考え方や活動を理解していくことで、患者さんが、より利益を享受できるようになります」と期待を寄せる。
JCI認証の意義を説く東上・副理事長
徳洲会グループQI担当理事の東上震一・医療法人徳洲会副理事長は、2病院の認証取得の意義について、「徳洲会が名実ともにナンバーワンの医療グループになるには国際基準が必要。患者さんの安全を第一に考えるJCIの考え方は、徳洲会の“生命だけは平等だ”の理念に合致します。各ブロックの中核病院がJCI認証を取得することは、その病院のみならず徳洲会がグループとして成長するうえで欠かせないことです」と説明。
すでに認証取得している湘南鎌倉病院、札幌東病院、南部病院は同時期に認証を更新した。海老澤・課長補佐は今後、JCIから学んだ内容を参考に、徳洲会の標準(スタンダードオペレーション)を作成し、グループ病院に貢献していくことを検討しているという。