2019年(平成31年)1月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1168 三面
特別企画に田中・湘南鎌倉病院部長
症例をもとに解説
日本超音波医学会
乳腺疾患の画像の読み方を解説する田中部長
日本超音波医学会第30回関東甲信越地方会学術集会が都内で開催された。特別企画「乳腺疾患のイメージリーディング」では湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の田中久美子・乳腺外科部長が講師として参加、症例を提示した。
症例は入浴時に右乳房腫瘤(しゅりゅう)を自覚し来院した患者さん。マンモグラフィ(乳房X線撮影)画像や超音波画像、病理画像を示し、それぞれ読み方を解説した。最終診断は非浸潤性乳管がん(DCIS)。これは乳管内にがん細胞がとどまっている状態で、予後はきわめて良好であり、早期発見が重要とされる。
田中部長は「DCISが腫瘤を形成することは少なくありません」と強調したうえで、特徴として、①形状は分葉、楕円、円形、②境界は明瞭粗ぞうが多い、③最大腫瘍径は5~15㎜が多数である―など挙げた。
症例は田中部長を含む3人の講師が提示。すべての症例で講師らは自らの考えを示したうえで、会場からの質問に回答しながら進行した。
岩川・臨床検査技師は貴重な症例をもとに発表
一般演題では東京西徳洲会病院の岩川幸子・臨床検査技師が「術前診断に苦慮した膵(すい)原発デスモイド腫瘍の1例」と題し発表。デスモイド腫瘍は線維性腫瘍の一種で、通常は四肢・腹壁に発生し、腹腔(ふくくう)内に発生することはまれ。発表では上腹部痛を主訴に、他院CT(コンピュータ断層撮影)で膵尾部の腫瘤を指摘、紹介された症例をもとに解説した。
超音波、PET(ポジトロン放射断層撮影)-CTなど各種画像検査では確定診断に至らなかったが、腫瘤が一部破裂している可能性があったと確定診断することを目的に、腹腔鏡下脾(ひ)合併膵体尾部切除術を施行。病理診断の結果、最終的に膵原発デスモイド腫瘍と診断された。
考察として、同疾患の原因や治療、予後など説明し、論文を検索した結果を紹介。超音波診断での膵腫瘍の鑑別には、充実性と嚢胞(のうほう)性に分けて考えるが、今回の症例では、これらが混在していたことを強調。「貴重な症例を経験しました」とまとめた。