徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)1月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1168 四面

災害救護・国際協力ベーシックコース
TMATが1年半ぶり開催

NPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は2日間、古河総合病院(茨城県)で「第46回災害救護・国際協力ベーシックコース」を開催した。2017年6月に中部徳洲会病院(沖縄県)で行って以来、約1年半ぶりの開催。西日本豪雨や北海道胆振(いぶり)東部地震、インドネシア・スラウェシ島地震など近年、国内外で大規模災害が相次ぎ、災害に対する意識が高まるなか、徳洲会グループ内外から計24人が参加。講義と実技訓練などを通じ、海外の被災地で医療支援を行う際の基本を学んだ。

全国から多職種24人参加

今回も多数の医療従事者が参加 今回も多数の医療従事者が参加

災害救護・国際協力ベーシックコースは、TMATが2007年に創設した教育プログラム。災害発生時から救援隊派遣の決定、現地での救護活動、活動終了までの流れを座学やグループワーク、実技訓練などを交えて学ぶ。主に全国の徳洲会グループ病院で開催し、これまで徳洲会グループ内外の医療従事者を中心に1000人以上が受講している。TMAT隊員として海外の被災地に赴く場合、同コースを修了していなければならない。

今回も医師をはじめ、看護師や薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、管理栄養士と多職種が参加。関東だけでなく、北海道からの受講者も見られた。

記者会見訓練で答える髙橋暁行・古河病院副院長(右から2人目) 記者会見訓練で答える髙橋暁行・古河病院副院長(右から2人目)

コースディレクターは橋爪慶人TMAT理事(東大阪徳洲会病院院長)、コースリーダーは髙力俊策・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)副院長、チューターは當麻俊彦・八尾徳洲会総合病院(大阪府)整形外科部長、坂元孝光・福岡徳洲会病院脳神経外科・救急科医師、栁澤修平・四街道徳洲会病院(千葉県)看護師長、浅野昌子・成田富里徳洲会病院(同)看護師、西村俊謙・長崎北徳洲会病院看護師が務めた。

初日は災害医療総論、通信機器、巡回診療、トリアージ(緊急度・重症度選別)、感染症・予防接種、病院防災をテーマとした講義を実施。災害のタイプや災害発生後の対応の優先順位、通信機器の種類と特性、安全管理のうえで注意すべき感染症と予防接種、巡回診療やトリアージの方法、病院防災のあり方などについて、それぞれ講師が解説した。トリアージ、巡回診療、通信機器については実技訓練も行い、参加者は模擬患者を相手に治療の優先度を判断したり、実際に衛星電話やトランシーバーを使用して通信したりしていた。

TMAT 活動実績

1995年 1月阪神・淡路大震災
1995年 9月サハリン大地震
1999年 9月台湾921大地震
2004年 10月新潟県中越地震
2004年 12月インドネシア・スマトラ沖地震(その他4カ国)
2005年 2月福岡県西方沖地震
2005年 7月NPO法人化
2005年 10月パキスタン北部地震
2006年 2月フィリピン・レイテ島地滑り災害
2006年 5月インドネシア・ジャワ島中部地震
2007年 3月能登半島地震
2007年 7月新潟県中越沖地震
2008年 5月ミャンマーサイクロン災害
2008年 5月中国・四川大地震
2008年 6月岩手・宮城内陸地震
2008年 7月岩手県沿岸北部地震
2010年 1月ハイチ地震
2010年 2月チリ地震
2010年 4月中国・青海省地震
2010年 10月奄美豪雨災害
2011年 3月東日本大震災
2011年 10月トルコ東部地震
2013年 11月フィリピン中部台風災害
2015年 4月ネパール大地震
2016年 4月熊本地震
2018年 7月西日本豪雨
2018年 10月インドネシア・スラウェシ島地震
2018年 11月バングラデシュ・ロヒンギャ難民の医療支援
2日目は被災地での連携組織をテーマとする講義でスタート。被災地で支援活動を展開するために現地の政府や海外のNGO(非政府組織)、他国の医療支援チームなどと協力する重要性を学んだ。特殊災害の講義後、テストを実施。浦部優子医師が同コース史上初の満点回答者となり、会場が沸く場面も見られた。

昼食を兼ねて自炊訓練も行い、災害救助用炊飯袋などを使用した調理を体験した。その後、グループに分かれ机上訓練を実施。被災地で安全に活動するために必要な日用品や、現地での衣食住について話し合い、結論をグループごとに発表した。

随時、講師が解説し、食事では毎日、隊員の管理栄養士が国境を越えて食材を調達するエピソードなどを披露し、現地の復興を妨げないことや自身の安全管理を絶えず考えて行動する必要を強調。帰国後にすべきことにも言及し、①体調管理(2~3週間)、②PTSD(心的外傷後ストレス)への注意、③所属部署などへのお礼と報告、④活動報告書や記録(写真)の提出、⑤学会などでの発表――などを挙げた。

最後に記者会見の訓練を実施。被災地から帰国し、空港でメディアの取材を受ける想定の下、各グループが記者役の髙力コースリーダーからの質問に応じて終了した。

参加者の上吉原良実・復興庁男女共同参画班政策調査官(小児救急看護認定看護師)は「16年の熊本地震でTMAT隊員として活動し、今後は海外支援も行いたいので受講しました」と説明。

古河病院の福江眞隆院長は「職員に伝えるためにも自分が知らなければと考え参加しました。トリアージの実技訓練は緊張感もあり、非常に勉強になりました」と振り返り、「自院の災害対策でも生かしたい」と意欲を見せた。

野口幸洋TMAT事務局員は「15年に鬼怒川が決壊し被害が出た茨城県常総市の先遣活動(調査)に古河病院に協力してもらった背景もあり、今回、同院で開催できた意義を感じています。今後も精力的にトレーニングできる場を設けていきたいです」。

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