徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)1月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1168 三面

日本脈管学会
徳洲会から8演題
藤原・岸和田病院部長
シンポジストに

第59回日本脈管学会総会が広島県内で開催された。テーマは「脈管学の故郷に集う」。徳洲会グループからはシンポジウム1題、一般演題3題、ポスター演題4題の発表があった。

シンポジウムでアテレクトミーデバイスについて解説する藤原部長 シンポジウムでアテレクトミーデバイスについて解説する藤原部長

シンポジウムで岸和田徳洲会病院(大阪府)の藤原昌彦・循環器内科部長が「アテレクトミーデバイスへの期待と至適使用への道筋」と題し発表。アテレクトミーデバイスとは下肢閉塞性動脈硬化症などに対し、冠動脈を再灌流(かんりゅう)させるために血管の狭窄(きょうさく)物を切削除去するデバイス(道具)だ。

2017年末に薬剤塗布性バルーン(DCB)が使用可能になったが、複雑病変に対してはいまだ十分な臨床成功が得られていないことを指摘。日本人に多い石灰化や小血管に対する治療や、DCBを用いる前段階としてのvessel preparation(バルーンを留置する場所づくり)などに対し、アテレクトミーデバイスにかかる期待は大きいとし、適正な使用方法やリスク、限界点など解説した。

畔栁・主任部長は岸和田病院のA型解離に対する治療方針を紹介 畔栁・主任部長は岸和田病院のA型解離に対する治療方針を紹介

一般演題では同院の畔栁智司・心臓血管外科主任部長が「当院のA型解離に対する治療方針と成績」を発表。Stan-fordA型急性大動脈解離は死亡率が高く、診断確定後はただちに手術を行う。標準術式として上行大動脈置換術、もしくは近位弓部大動脈置換術(Hemiarch置換術)を選択する同院の方針では、短期手術成績が良好であると強調。

遠隔期に再手術を余儀なくされる場合も、カテーテルを用いた胸部大動脈ステントグラフト治療(TEVAR)を選択することが多くなり、侵襲性の低さをアピール。「急性期を乗り越えた症例は、安定した長期生存が得られています。急性期延命がそもそもの絶対条件であり、当院の方針は妥当と考えられます」。

B型解離に対するPETTICOAT法の成績を報告する薦岡部長 B型解離に対するPETTICOAT法の成績を報告する薦岡部長

同院の薦岡成年・心臓血管外科部長は「StanfordB型大動脈解離に対するPETTICOAT法とre-intervention」と題し発表。同院ではB型解離に対し、complicated case(破裂または循環不全をともなう症例)などの場合はTEVAR を選択する。発表ではB型解離のTEVAR症例にPETTICOAT法(解離の原因となった血管の裂け目を必要最小長のステントグラフトで閉鎖する手技)を施行した症例を検討した。

それによると自験例でのPETTICOAT法の成績はおおむね良好と報告。さらに①現時点でBMS(ベアメタルステント)留置による腹腔(ふくくう)内分枝血流への臨床的な有害事象は認めていない、②分枝解離があっても、分枝にreentryがない場合は分枝のリモデリングも見込める―など考察した。

数納医師は大動脈中の浮遊血栓に関し文献的考察を加えて発表 数納医師は大動脈中の浮遊血栓に関し文献的考察を加えて発表

東京西徳洲会病院の数納祐馬・外科医師は「保存的加療が奏功した進行大腸癌患者に発症した下行大動脈内血栓症の1例」をテーマに発表。大動脈中の浮遊血栓はまれな病態だが、種々の塞栓症を起こすことが知られており、その治療戦略にはさまざまな報告がある。発表では、人工肛門造設後に抗凝固薬による内科的保存的治療を開始し、大動脈内血栓症の消退に成功した症例を報告した。

文献的考察にも言及し、「大動脈」、「血栓」、「浮遊」、「遊離」をキーワードとして医学中央雑誌(1964~2018年)で検索したところ、詳細の判明した報告例は同症例含め34例と紹介。「治療法、手術時期など今後の症例の蓄積が待たれます」。

PAGE TOP

PAGE TOP